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2006年09月10日(日) 08時32分

【親指族へ新・CM案内】カマタ レモンガス「父ちゃん ダジャレ」編フジサンケイ ビジネスアイ

 ■鮮明に記憶に残るブランド名

 じわじわと話題を呼んでいるCMがある。レモンガスのCMだ。

 「久しぶりに笑った」「一度聞くと頭の中から離れない」など、ブログを中心に広がりをみせており、CMを掲載している企業サイトのアドレスを頻繁に見かけるようになった。インターネットで検索をかけると1万8000件以上ヒットするという著しいクチコミ効果が見られるほどだ。

 CMは、小学生くらいの女の子が道端で「うち、うち、うちはレモンガス!」とラップ調で歌うという内容。4パターン制作されているが、道路でラップするというスタンスは同じで、ラップの歌詞が変わっているだけだ。

 この女の子の悦に入ったような表情やしぐさが「何ともいえない愛嬌(あいきょう)がある」ということで人気を集めている。さらに「うちの父ちゃんの駄洒落をとめてくれ」など、LP(石油液化)ガスとは全く関係のない内容の歌詞の、何ともいえない脱力感が良いのだという。

 そんな独特なユニークさを持つCMということで注目を集めているが、本作にはもう一つポイントがある。

 このCMを一度見ると、必ずといっていいほど頭の中に「レモンガス」の名称が鮮明に残るはずだ。

 レモンガスとはカマタという会社が提供するLPガスの名称である。関東から静岡および九州地区の約60万世帯の一般家庭、コンビニや病院など多岐にわたって使われているLPガスだ。

 つまりレモンガスは会社名ではなくブランド名ということになるが、CMの中に会社名の「カマタ」は一切出てこない。こうやって一貫してブランド名を言い続けることで視聴者の記憶は鮮明に残ることになるのだ。

 ブログなどクチコミ効果の高いツールが浸透している今だからこそ、単純明快なCMが思わぬ広がりを見せることもある。

 このようなユニークな提案力と企画力でブランド名を一般に浸透させるCMを制作したCM制作者たちは、インターネットを通じてクチコミ方式でマーケティングを行うことまで考えていたのだろうか。

 確かに広告費に何十億円もかけた恵まれたCMも見ごたえがあって楽しい。しかし、それとは対照的に低予算ながらも注目度、浸透力のある作品を生み出した企画力の高い作品も十分楽しめることが証明された。

 レモンガスのCMはまさに「CMの原点」に戻った作品であり、純粋な子供のような心を持った楽しい内容だ。ぜひ一度ご覧あれ。

 (CMニュース編集部 松田かおり)
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 9月10日8時32分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060910-00000002-fsi-ind