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2006年09月10日(日) 03時01分

松本被告「おれは無実だ」、訴訟能力裏付けか読売新聞

 1審で死刑判決を受けたオウム真理教の松本智津夫被告(51)が今年3月、東京高裁の控訴棄却決定を伝えられた時の状況が明らかになった。

 松本被告は姿勢を正して決定を聞き、数日後に「おれは無実だ」などと発言していた。弁護側は、松本被告には裁判で自分が置かれた状況を理解する「訴訟能力」がないと主張し、最高裁に特別抗告している。最高裁の審理は大詰めを迎えているが、今回判明した松本被告の言動は、被告が決定の意味を理解していることを示すとともに、訴訟能力を認めた高裁決定を裏付けるものといえそうだ。

 複数の関係者によると、今年3月27日、東京高裁が控訴を棄却した決定文が、松本被告が収監されている東京拘置所に届けられた。

 刑務官から、高裁の決定文が送達されて来たことを告げられた時、松本被告は独房に寝転がっていたが、起きあがって座り直し、背筋を伸ばしたという。

 刑務官が、「控訴を棄却する」という主文を読み上げると、松本被告はブツブツと独り言をつぶやいた。そして、数日後、松本被告は、「おれは無実だ。おれははめられた」などの言葉を口にしたという。松本被告が示した反応について、複数の関係者は、「決定文の意味を理解していることを裏付けるもの」と指摘する。

 刑事訴訟法は、被告に訴訟能力がないと認められた場合、公判を停止しなければならないと定めている。松本被告の2審弁護団は、「訴訟能力のない被告と、意思疎通できない」と主張。公判の停止を求め、定められた提出期限内に控訴趣意書を提出しなかった。

 これに対し、東京高裁は精神鑑定を実施して松本被告に訴訟能力があることを確認した上で、今年3月、趣意書の不提出を理由に控訴棄却を決定した。弁護団は、異議を申し立てたが、同高裁が今年5月に異議を退けたことから、最高裁に特別抗告した。最高裁が2度にわたる高裁の判断を覆す可能性は低く、死刑判決が確定する公算が大きい。

 松本被告は1審公判の途中から沈黙を続けているが、死刑判決を受けた2004年2月27日、拘置所に戻ってから「なぜなんだ、ちくしょう」と大声で叫んだとされる。控訴棄却決定では、こうした言動が、松本被告の訴訟能力を認める判断の有力な材料となった。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060910it01.htm