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2006年09月10日(日) 13時11分

「暴力の連鎖止めよう」 9・11被害家族朝日新聞

 01年の米国同時多発テロの被害者の家族らで作る団体「ピースフル・トゥモローズ」は8日から14日まで、テロから5年を迎えるニューヨーク各地で、世界各地のテロ、紛争などの被害者約30人を招いた国際会議を開く。テロへの武力による対応は新たな暴力を生むだけだとして、その連鎖から抜け出すよう訴えるのが目的だ。

 国際会議は7日間に大学、教会など市内各地十数カ所で、「悲劇にどう耐えるか」「戦争か平和か」などテーマを変えながら開かれる。中東紛争やテロ、ルワンダの虐殺などの被害者の家族らが集まる。

 ピースフル・トゥモローズの中心メンバーの一人、ニューヨークに住む看護師コリーン・ケリーさん(44)の弟は世界貿易センターで死亡した。家族を失った深い悲しみと憤りの中でも、「暴力に暴力で応えていては、何も解決しない」という従来の考えは変わらなかった。同じようにテロ実行者の司法による裁き、対話と協調による暴力の根絶を訴える被害者家族約200人とともに、団体を作った。

 しかし、イラク戦争の出口が見えない中で、力への信奉の強い米国ではなかなか活動のすそ野は広がらず、活動資金集めにも苦労している。9・11の被害者家族のために米各地で行われている募金の対象になりにくいという。

 「米国が『テロとの戦争』を続ける中で、異を唱える団体は被害者団体とみなされにくいのかもしれない」とコリーンさんは言う。

 「9・11という身近な恐怖の体験が、米社会と、非暴力を訴える家族の団体との間に垣根をつくっているのではないか」

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000609090014