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2006年09月09日(土) 13時50分

9・11遺族とテロ被害者がネットワーク 被爆者も参加朝日新聞

 対話を重ねて、暴力と憎悪の連鎖を断ち切ろう——9・11同時テロの米国遺族と世界各地のテロや戦争被害者らが8日、ニューヨークに集まり、自らの体験を語りあった。日本の被爆者を含む各国の犠牲者が非暴力を呼びかける国際ネットワークを結成することになり、「民間人をこれ以上殺さないで」と呼びかけた。

暴力の連鎖から抜け出すように訴える同時多発テロ被害者の家族と、世界各地のテロ、紛争などの被害者たち=8日午後、ニューヨークで

 会議を主催したのは対テロ戦争に反対してきた9・11テロの遺族団体「ピースフル・トゥモローズ」。スペイン列車テロの遺族、ルワンダ虐殺の生存者ら、世界18カ国から30人以上が参加。地雷禁止国際キャンペーンでノーベル平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズさんも「平和運動は武器輸出に反対するなどの日々の行動の積み重ねです」と語った。

 戦死したイスラエル兵の母親と妹を殺されたパレスチナ女性は協力して、「双方の遺族による電話での対話を進めて和解を呼びかけている」と報告。長崎で被爆した中山高光さん(77)は「被爆者は原爆を許さないが報復は求めない。二度と被爆者を出さないよう協力していきたい」と述べて共感を呼んだ。

 米国の遺族も「肉親を失った悲しみが癒えることはないが、同じ思いをする人が増えないように努力することはできる」と語った。

http://www.asahi.com/international/update/0909/014.html