悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年09月09日(土) 22時50分

県警、Nシステム増強へ朝日新聞

 重要犯罪の捜査が難航する中、県警は自動車のナンバーを自動で読み取る装置「Nシステム」の増強に乗り出す。手始めにコンピューターのシステム設計費として714万円を9月補正予算案に計上した。プライバシー侵害につながりかねないとの議論もあるが、県と県警は同システムの補強で犯人逮捕に役立てたい考えだ。

 Nシステムは設置地点を通過する車両すべてのナンバーなどを記録し、コンピューターに一定期間保存する。旧南河内町の5億円強奪事件をはじめ、さまざまな犯罪捜査で活用されている。

 今回予算案に計上するのは「簡易Nシステム」と呼ばれるもので、現行のシステムより設置しやすいのが特徴。従来は道路上に門型の構造物を設置し、ナンバー読み取り用のカメラなどの機材を数台並べているが、簡易型は既存の信号柱に取り付けられる。1カ所に1400万円かかった費用も900万円に抑えられるという。

 従来型は今年度末までに県内で30カ所に達する見通し。簡易型は補正予算が成立すれば、来年度半ばにも運用を始める予定だ。県警によると「100カ所以上」の設置を検討しているが、設置個所は捜査上の秘密のため、明らかにしていないという。

 昨年12月に発生した今市女児殺害事件では、連れ去り現場から茨城県内の遺体の遺棄現場まで犯行に使用されたとみられる車の特定や走行経路が分からず、捜査が難航する一因にもなっている。

 事件以後、県警は同システムの強化を強く希望しており、高速道路や国道、県道だけでなく市道などにも範囲を広げる考えだ。県財政課も「安全・安心の県づくりや治安の向上という必要性にかんがみて、早急に対応しなければいけないと判断した」としている。

 犯人の移動のみならず、一般市民の動きも網羅的に把握できるNシステムをめぐっては、東京都内の弁護士らが「移動を監視されるなどプライバシーを侵害された」として国に損害賠償を求め提訴したが、最高裁で敗訴が確定した。

 一審の東京地裁判決は原告の請求を棄却したものの、Nシステムが数多く設置されれば国民の行動に対する監視の問題が生じる可能性があるため「目的や方法を一切問わず収集が許される情報とはいえない」と乱用にくぎを刺している。

http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000000609080001