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2006年09月09日(土) 22時50分

「私は真っ白」一転朝日新聞

 「私は真っ白」から一転——。県発注工事の談合事件で、県内の建設大手「佐藤工業」の佐藤勝三会長(66)が8日、東京地検特捜部に競売入札妨害(談合)容疑で逮捕された。佐藤会長は3日に特捜部から任意の聴取を受けた後、異例の記者会見を開き、談合への関与を否定していた。同社の営業統括部長の八巻恵一容疑者(47)が同容疑で逮捕されたほか、元幹部2人が任意の事情聴取を受けたとみられ、同社に対する集中的な捜査が続いている模様だ。

 午後5時過ぎ、佐藤会長逮捕のニュースが流れると、福島市泉の佐藤工業本社周辺には近所の人が詰めかけ、一時騒然となった。佐藤会長の息子で、同社の佐藤勝也副社長は「父も、(逮捕された)八巻部長も早く返してもらいたい」。

 同社は、受注調整があったとされる同市周辺の流域下水道工事を、東急建設(東京)と共同企業体を組んで約7億7800万円で落札した。

 佐藤会長は同工事に絡んで3日から4日間にわたって、特捜部からの聴取を受けた。8日も、聴取要請を受け、都内に向かった。

 佐藤会長は4日の記者会見で受注調整への関与について、「触ったこともないし、あずかり知らないと(特捜部に)話した」と答えていた。その一方、会社自体の関与については「私が知らない仕組みになっている」とするにとどめていた。

 同社の元副社長と元専務も8日、特捜部から任意の聴取を受けたとみられる。元専務は朝日新聞の取材に対し、「(00年、01年ごろに)業務(談合)担当をしていた」と、かつて受注調整にかかわったことを認めた。一方、佐藤会長の関与については、「(会長に)いちいち指示を仰いでいたら、(私のことを)業界も認めてくれない」と否定した。

 会長と一問一答/「指示する立場にない」

 佐藤勝三会長との一問一答は次の通り。

 ——県北流域下水道工事で佐藤工業が談合をしていたとされますが。

 「私は知らない。談合の場に出たことがないし、指示する立場にもなかった。だから、調べれば調べるほど、私は真っ白だ」

 ——複数の建設業者が談合を認めており、調整役として佐藤工業の名を出していますが。

 「調整行為というのがあったとしても、会社として、私に一切タッチさせない仕組みだった。それは、ゼネコンと同じ仕組みだ」

 「特捜部は、鹿島など大手ゼネコンが仙台で談合をしていたことをつかんでいる。ではなぜ、規模も談合の金額も大きいゼネコンの会長や社長を逮捕しないのか。まずそっちが先ではないか。新潟などでゼネコンが摘発されたケースもあるが、会長は1人も逮捕されていない。釈然としない」

 ——談合すると落札価格が高どまりします。公正な入札は、安く公共のものを作ろうという制度ではないでしょうか。

 「土建業界の労務単価はこの数年間で3割以上下がった。公共工事も大幅に減って、(社員に対して)ボーナスの話は禁句だ。それで、どこが高止まりするのか。公共工事は品質が問題。安ければいいというわけじゃない」

http://mytown.asahi.com/fukushima/news.php?k_id=07000000609090005