悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年09月09日(土) 22時50分

どうする冥王星朝日新聞

 「展示から外すか否か」——。国際天文学連合が先月、冥王星を太陽系惑星から外すよう決議したことをうけ、県内の博物館などでも波紋が広がっている。(手塚絢子)
 秋田市のJR秋田駅東口のアルヴェにある自然科学学習館。タッチパネルで惑星について答えるクイズがあり、冥王星の直径を尋ねる問題も登場する。
 いま、そのわきに「現在コンテンツの更新について検討中です。ご了承下さい」と書いた紙を掲示している。冥王星が惑星でなくなることを報じた新聞も添えてある。
 クイズの問題は東京の専門業者に注文して作ってもらった。同館の渡辺系一さんは「冥王星が分類される予定の天体の日本語の名称も決まっていない。そんな状態であらたに発注できない」と言う。しばらくはクイズをそのままにして、日本天文学会で正式名が決まるのを待つつもりだ。
 秋田市山王中島町の県立子ども博物館では、冥王星を「惑星」とし、地球との重さの比較を図に表したパネルが展示されている。
 冥王星のことが話題に上った頃から学芸班の間で「展示をどうしようか」と相談をしたり、インターネットの情報を集めたりした。
 冥王星の部分を消すか、「06年8月に太陽系の惑星ではなくなった」と説明を付けるか。子供たちが混乱しないよう、教科書の表記が決まるのを待って、教科書と表記を合わせたいという。
 入館者は小さな子どもとその親が主。同館の鈴木保さんは「惑星ではなくなった経緯を子どもにもわかるような説明を考えなければ」。
 冥王星を「惑星」とした図鑑類を所蔵する秋田県立図書館では「著作権上、惑星ではなくなったからといって勝手に訂正できない」とする。
 似た事例に、合併による地図の変更、国際組織の加盟国、人口統計などがある。出版当時は最新データが記載されており、後に事実が変わったからといって「訂正」は出来ない。
 同館の担当者は「冥王星を扱った新しい雑誌や記事が出れば早めに紹介したい」と話している。
 3施設とも、利用者から問い合わせなどは今のところ特にないという。
 秋田県は冬の間悪天候が続くせいか、県民は全体的に天文への関心が低いと鈴木さん。「今回の騒ぎをきっかけに博物館に足を運び、宇宙に関心を持つ人が増えてくれれば」と期待している。

http://mytown.asahi.com/akita/news.php?k_id=05000000609090003