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2006年09月09日(土) 21時10分

振り込め詐欺 口座転売の男逮捕 譲渡先判明前は異例読売新聞

県警、金融当局と連携、摘発

 県警は金融当局と連携し、振り込め詐欺に使われた口座を開設したとして、名義人の男を詐欺容疑で逮捕し、8日、横浜地検に送検した。男は本名で口座を開設するなど手続き上は不正はなかったが、通帳の第三者への譲渡や質入れを禁じた金融機関の規約に反したとして逮捕に踏み切った。警察当局は、振り込め詐欺グループを摘発した事件で口座の開設者についても詐欺罪での摘発を進めてきた。今回は振り込め詐欺の実行犯は分かっておらず、異例のケースとなった。

 逮捕、送検されたのは、横浜市栄区飯島町、会社員加藤輝美容疑者(24)。

 調べによると、加藤容疑者は2004年6月、横浜市緑区の横浜信用金庫鴨居支店で、他人に転売する目的で自分名義の口座を開設し、同支店から通帳とキャッシュカードをだまし取った疑い。

 県警は、加藤容疑者が04年3月ごろから12月にかけて、県内や広島県内の金融機関で20の通帳をだまし取り、計11万円で転売していたとみている。

 このうち、千葉、愛知、長崎県などから振り込め詐欺の被害に遭ったとみられる1000万円以上の入金が確認された口座があった。また、ヤミ金融やインターネット詐欺の振込先とみられるものもあった。

 加藤容疑者は「詐欺などの不正に使われるとはうすうす分かっていたが、小遣いかせぎのためにやった」と供述している。

 この事件では、金融当局から今年7月、不正な目的で取得された口座の可能性があるとする情報が県警に寄せられた。県警は、信用金庫からの被害届を受理した上で捜査を進めていた。

 県警は、加藤容疑者が振り込め詐欺などに関与した可能性は低いとみており、加藤容疑者が開設して販売した口座を使う振り込め詐欺の実行グループやネット詐欺犯などについても、譲渡先などを調べ、割り出しを急いでいる。

 県警捜査2課によると、振り込め詐欺には転売された携帯電話や銀行口座が使われるケースが多く、実行者の匿名性が高い。後を絶たない振り込め詐欺に対応するため、04年ごろから、詐欺の実行役と口座の開設の遮断に力を入れている。今回のケースは、金融当局との連携で、違法に使われる可能性のある口座を封じ込める狙いがある。

◆注意喚起し、捜査強化でも被害

 振り込め詐欺事件は、捜査当局が注意を呼び掛けたり、摘発を強化したりしているにもかかわらず、被害が相次いでいる。

 8日、横浜市港北区の男性(63)が、長男を名乗る電話で300万円の被害に遭った。同区では5日にも、男性(67)が同様の手口で200万円をだまし取られた。

 平塚市では4日〜8日にかけて、家族を装った男からの「会社の金を使い込んでしまった」という電話に、180万〜330万円をだまし取られる被害が6件相次いだ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news001.htm