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2006年09月09日(土) 13時01分

振り込め詐欺:今夏連続発生、犯行は同じ携帯電話 物証で裏付け /栃木毎日新聞

 ◇同一グループ
 県内で相次ぐ振り込め詐欺事件で、今夏に連続発生した複数の事件で使われた携帯電話が同一の物だったことが、8日までの県警捜査2課などの調べで分かった。いずれの事件も、現金の振り込みを要求する数日前、被害者宅に家族を装って電話をかけ「携帯電話の番号を変えた」などと連絡を入れていた。当初から県警は、手口が似ているため同一グループによる連続詐欺との見方を強めていたが、初めて物証で裏付けられた。【吉井理記】
 ◇レンタル会社所有、県警が特定を急ぐ
 同じ携帯電話が使われたのは8月下旬から8月末、宇都宮市内などで連続して発生した5件(被害総額2千数百万円)の事件。いずれも2〜3日前に被害者宅に電話があり、「オレだけど、携帯電話を買い替えて番号が新しくなった。今度からこの番号に電話をかけて」と連絡があった。一部の事件では犯行時、被害者がこの番号に確認の電話を入れたが、犯行グループの1人が応対したため、詐欺と気づかなかったという。
 同課や関係署の調べで、これらの電話番号が同じであるほか、通話記録の解析から同一電話の使用が判明。この電話は、携帯電話のレンタル業者名義で契約されており、県警は、犯行グループが振込先に指定した銀行口座の調査や、レンタル会社が所有する複数台の電話の貸し出し先の分析を進め、グループの割り出しを急いでいる。
 県警によると、今年に入って急増中の振り込め詐欺は「仕事の失敗で会社に損害を与えた」「会社での使い込みがばれそう」「交通事故を起こし、示談金が必要」などの名目で、振り込みを要求するのが主な手口。今回の5件と同様、事前に「電話番号を変えた」と連絡を入れるケースは3カ月ほど前から目立っている。
 レンタル業者から電話を借りる際は、運転免許証のコピーを業者にファクスなどで送れば可能だが、偽造免許証が使用されることが多く、犯行グループの割り出しを困難にしている。
 ◇47回で3000万円被害−−小山の63歳女性
 7日午後5時ごろ、小山市内の会社員の女性(63)が「振り込め詐欺の被害に遭った」と小山署に届け出た。女性は8月31日〜今月7日の約1週間で、計47回にわたり計2950万円を振り込んだ。また、1日だけで10回に分け650万円を振り込み、だまし取られた日もあったという。同署は振り込め詐欺事件とみて捜査している。
 調べでは、8月31日午後0時半ごろ、都内に住む会社員の長男(37)を名乗る男から女性宅に「会社の金を使い込んだ。返さないと首になる。妻には内証にしてほしい」と泣き声で電話があった。信じた女性は、同市内の銀行から指定口座に3回に分けて現金200万円を振り込んだ。
 その後も「もっと金が必要だ」「会社に監査が入って使い込みがばれた」などと数十回電話があり、女性は今月7日までの間、計47回にわたり計2950万円を複数の口座に振り込んだ。
 不審に思った女性が同日、長男の妻に確認したところ、だまされたことに気付いた。女性は預金以外に、友人などから1000万円弱の借金をして振り込んでいたという。振り込んだ現金はほとんどが引き出されていた。
 また振り込み要求前日の8月30日には、男から「携帯電話の番号が変わった」という電話があり、女性は長男と思い込み、番号変更を了承していた。同署では、女性が不審に思った際に長男本人に確認させないため、あらかじめ自分の番号を伝えていたとみて調べている。女性は男について「長男の声にそっくりだった」と話しているという。【山下俊輔】

9月9日朝刊
(毎日新聞) - 9月9日13時1分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060909-00000143-mailo-l09