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2006年09月07日(木) 08時33分

貸金業規制改正案特例 金融行政に大きな影響懸念フジサンケイ ビジネスアイ

 金融庁が自民党に提出した貸金業規制法の改正原案で示した特例が、貸金業界だけでなく、今後の金融庁の行政に大きな影響を及ぼす懸念が出ている。「利用者保護」に金融行政のかじ取りを変更したにもかかわらず、特例の内容がこの流れに逆行するとの批判が強いためだ。新政権の経済財政担当相人事も含め、先行きは混とんとしてきた。

 金融庁案をめぐっては、内閣府の後藤田正純金融・経済財政担当政務官がこれまでの有識者懇談会の議論の方向性と全く異なることへの抗議で、辞表を提出するなど異例な事態になっている。

 問題は大きく2点だ。ひとつは年利15〜20%の利息制限法を超えていた出資法の上限金利(グレーゾーン金利)とほぼ同じ金利が、特例を理由に今後9年間存続し「改正が事実上骨抜き」(後藤田政務官)になること。

 さらに、少額短期の特例での貸付額が30万円、50万円で検討されており、現在の消費者金融の貸し付け平均が約20万円を考えるとほとんどの貸し付けが特例を容認することになり、特例が特例でなくなる事態を引き起こす。

 もうひとつが総務企画局長の私的有識者懇談会「貸金業制度等に関する懇談会」での議論や、担当の与謝野馨経済財政担当相のこれまでの発言と全く反対の改正案が作られたことだ。ある懇談会メンバーは「1年半の議論が無駄なのかと無力感を感じる」と憤りを口にする。

 政務官辞任といった事態にまで発展した改正案は「自民党でも簡単には承認できない」(懇談会委員)との見方も強く、臨時国会で成立しない可能性もある。貸金業界にとっては改正案が成立しても、また、改正自体が先送りになってもプラスに働く。

 そうなると最近は「金融処分庁」とまで揶揄(やゆ)され、利用者保護の観点で各金融機関に厳しい指導をしてきた金融庁も「貸金には甘い」(懇談会委員)というレッテルが張られることになり、それが金融行政全般でのひずみを生む懸念も出てくる。 (平尾孝、佐藤克史)
(フジサンケイ ビジネスアイ) - 9月7日8時33分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060907-00000007-fsi-bus_all