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〈最近不愉快なことはテレビＣＭに高金利の消費者金融の広告が堂々と流れていることだ〉——与謝野金融相がそう言ったことがある。同感、同感だった◆高金利のグレーゾーンは撤廃の方向と聞いたときもいいぞと思った。が、現実に出てきた同庁の改革案には特例のまやかしがある。がっかりした◆利息制限法の上限金利は年１５〜２０％だが、出資法のそれは２９・２％。この二つの上限金利の幅がグレーゾーン。最高裁はすでにこの金利での融資を事実上認めていない。これで二つの上限は低い方の利息制限法へと引き下げの流れになった◆が、改革案には３年の経過措置に加え、引き下げ後も５年間、これを超えて２８％で貸せる特例を容認する案が浮上した。これでは８年間もグレーゾーンが残るにひとしい。撤廃のカンバンに偽りありだ◆「高い金利でも借りたいニーズがある」というが、これも疑問ありだ。「グレーを撤廃すればヤミが増える」ともいうが、〈高金利、過剰融資、過酷な取り立て〉の３点セットが多重債務、ヤミへの道◆その是正なしに改革はない。