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2006年09月06日(水) 21時21分

「振り込め」被害額急増、昨年分すでに超す朝日新聞

 今年8月末までの県内での振り込め詐欺の被害額が、すでに昨年1年分を上回ったことが、5日発表された県警のまとめで明らかになった。いかにだまし、いかに身元を隠すか、犯人側は次々と新たな手口を考案。県警は今年まだ犯人を1人も逮捕できていない。

 県警のまとめでは、統計を取り始めた04年の被害額は約5億8千万円。05年は約3億円と、ほぼ半減した。「04年に被害が多く報道されて、県民の警戒感が強くなったため」(県警)とみられるが、今年は再び増加し、すでに約3億4千万円の被害が出ている。

 様々な振り込め詐欺の手口のうち、孫や子どもを装って金を振り込ませる「オレオレ詐欺」は一般に広く知られるようになった。しかし、今年6月ごろから手法が巧妙化している。

 代表的なのは、子どもなどを装って、あらかじめ「携帯電話の番号が変わった」と電話しておく手法だ。その後「会社の金を使い込んだ」「交通事故で相手にけがをさせた」などさまざまな理由をつけ、金を振り込むよう要求する。不審に思った家族が確認の電話をしても、犯人側につながるという仕掛けだ。

 今月1日、日光市で500万円の被害にあった男性は「変更」を伝えられていた番号に確認の電話を入れた後に振り込んでいた。結局、息子の会社に電話するまで犯行が発覚しなかったという。

 昨年以降、手口で最も多いのが「融資保証金詐欺」だ。電話で借金の勧誘を装い、「登録料」や「保証人代行料」などの名目で振り込ませる手口だ。6月には、宇都宮市内の50代の女性会社員が1年半にわたり446回、計1665万円を振り込んだ被害も明らかになった。はがきや新聞広告、折り込みチラシなどでの勧誘も多いという。

 拡大する被害の一方で、犯人逮捕は進んでいない。過去2年間に振り込め詐欺の摘発は35件。今年はまだ1人も捕まえていない。県警捜査2課によると、犯行に使われた電話や口座などからの犯人割り出しが難しくなっているからだ。

 従来犯行に使われることが多かったプリペイド式携帯電話は、取得時の身分確認が必要になったため使われなくなる一方、レンタル携帯電話が悪用される例が増えている。運転免許証のコピーをファクスすれば申し込めるため、偽造されれば借り手をさかのぼれない。振込先の口座はインターネットなどを通じて転売されており、開設当初の名義人を割り出せても、実行犯までたどり着くのは極めて難しいという。

 県警は「不審に思ったら、振り込む前にまず警察に相談してほしい」と呼びかけている。

http://mytown.asahi.com/tochigi/news.php?k_id=09000000609050001