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2006年09月04日(月) 19時25分

企業、会計士が躍起 旧中央青山の2カ月処分で朝日新聞

 旧中央青山監査法人(現みすず監査法人)による監査不祥事が、今年度の企業決算に後遺症を残している。カネボウの粉飾決算に加担したとして金融庁から2カ月間の一部業務停止命令を受けた結果、顧客企業の決算の監視役が最大2カ月間不在となる「監査の空白」が生じたからだ。新たな監査担当者や企業は、決算に不備が出ないように空白時のチェック作業に追われている。

 旧中央青山は7月1日〜8月31日の2カ月間、一部業務停止命令を受け、顧客の約2300社が一時、監査人不在に陥った。顧客企業は他の監査法人探しに奔走したが、他法人の受け入れ余力には限りがあった。上場企業の顧客のうち、他法人と契約し直すことができず、監査人不在が続いたと公表したのが220社。旧中央青山がみすずに改称して9月1日に業務再開し、監査人不在がとけた。他法人と契約できたと公表した536社でも、契約が遅れた企業が多かった。

 7〜8月は監査業務が少なく、「実務的にはほとんど影響は出ない」(大手法人の公認会計士)と見られる。ただ、企業の中には「監査人不在が投資家からの訴訟原因にならないか弁護士に相談した」(東証1部上場企業)などこれまでにない対応も迫られている。東京証券取引所は、監査人が不在だった未上場企業について「上場申請時に、空白時の状況を重点的に聴取する」としており、企業側には新たな負担だ。

 急きょ後任になった監査担当者は、以前の在庫情報などを前任者からの引き継ぎに頼る。ある大手法人の会計士は「後任を引き受けるかどうかの審査には万全を期している」として、空白期間のチェックに時間を割く。

 青山学院大学大学院の八田進二教授は「後任が通年の監査に確信が持てなくなった場合、監査意見に留保条件がつく事態もあり得る」と指摘する。ただ、「きめ細やかな意見がつくのはむしろ望ましく、投資家はいたずらに動揺せず冷静に決算や監査意見を見て投資判断をするべきだ」とも話している。

http://www.asahi.com/business/update/0904/123.html