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2006年09月04日(月) 16時46分

ライブドア事件 堀江被告初公判 無罪を主張産経新聞

 ライブドア事件で、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布)罪に問われた前社長、堀江貴文被告(33)に対する初公判が4日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた。堀江被告は罪状認否で起訴事実を全面否認し、無罪を主張。さらに、「起訴状は悪意に満ちた内容で心外だ」と述べた。これに対し、検察側は冒頭陳述で、粉飾決算など一連の不正行為が堀江被告の主導だったことを詳述。公判が分離されている宮内亮治被告(39)ら元側近は、ほぼ検察側主張に沿った供述をしており、堀江被告と検察側の対立が鮮明となった。
 堀江被告は罪状認否で「そうした種類の犯罪をしたことも、指示をしたこともない。最初から悪意に満ちた起訴状の内容で、こうした起訴をされたことを心外に思う」と検察側を強く批判した。 検察側はその後の冒頭陳述で、堀江被告が宮内被告らに粉飾、偽計などを指示した経緯を詳細に述べた。
 検察側冒陳によると、堀江被告は平成15年10月、投資事業組合を使った自社株売却益の還流システムの報告を受けた際、「そんなにもうかっちゃうの。そりゃーすごいね。じゃあ、予算にも乗せなきゃ。上方修正だねえ。その金額、乗せといて。乗せれるだけ乗せないと。大丈夫だよ。平気だよ」と言って了承。
 さらに16年5月開催のライブドア取締役会で、同年9月期の連結経常利益の予想値を30億円から50億円に上方修正するよう、宮内被告に指示。「いや、ちょっと危ないんで、やめといた方がいいんじゃないですか。やばいと思うんですけど」とためらう宮内被告を、「いいんだよ、強気、強気」と押し切った。 これに対し、弁護側も冒頭陳述を行い、自社株売却益還流については「組合は自主的に判断して利益を追求していた」と主張。検察側の描く「組合はダミー(替え玉)で実態はライブドア」との構図を否定した。
 また、宮内被告が経理部門で大きな影響力を持っていたことなどを指摘し、検察側の「堀江主導」の主張を崩す姿勢をみせた。
 堀江被告の公判には、事前に争点を絞り込んで審理を迅速化する公判前整理手続きを適用。11月末までに26回の集中審理を行い、宮内被告ら18人の証人尋問と被告人質問を終える予定。その後、論告と最終弁論を経て、早ければ来年3月までに判決が言い渡される。
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 【視点】元側近の証人尋問“天王山”
 堀江被告の無罪主張により、ライブドア事件の真相解明の“核心”となる公判は、検察側と堀江被告の全面対決の構図が改めて鮮明となった。弁護側は、一連の犯行が元側近の宮内被告の主導で行われたと主張し、証人尋問などの“直接対決”を通じて「元側近の暴走」を立証していきたい考えだ。
 検察側は冒頭陳述で、違法性を認識した上でなり振り構わず突き進む「ワンマン経営者」としての堀江被告の姿を、執拗(しつよう)に浮かび上がらせた。「堀江被告の承諾がなければ、ライブドアは動かない」。宮内被告らはこれまでに堀江被告の指示・了承を認める供述をしており、証人尋問でも同様の証言を引き出す方針だ。
 一方、弁護側は「ライブドアグループが堀江被告の独裁下にあるような主張は幻想」と強調。「堀江被告と宮内被告は実質的に対等の立場だった」とした。宮内被告の供述についても、「検察官の誘導や思いこみなど信頼性に欠けるものが多い」としており、今月15日から5回にわたって予定される宮内被告の証人尋問が、双方にとっての“天王山”となるだろう。
 この事件では東京証券取引所の取引がストップする事態に陥り、ライブドアが上場廃止になるなど大きな社会的混乱を引き起こした。その責任の所在を明確にするためにも、国民だれもが納得のいく「真相解明」が検察、弁護側双方に望まれている。(犬塚陽介)
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【起訴事実の要旨】
 《偽計、風説の流布》
 堀江被告は宮内被告ら3人と共謀し、ライブドアマーケティング(LDM)の株価を上げて売却することを計画。16年10〜11月、傘下の投資事業組合を通じて買収済みだったマネーライフ社を株式交換で子会社化するとの虚偽の発表をした上、粉飾したLDMの決算短信を公表するなどした。
 《有価証券報告書の虚偽記載》
 堀江被告は宮内被告ら6人と共謀し、平成16年9月期連結決算で自社株売却益や架空売り上げを計上。約3億円の経常赤字を50億円の黒字に粉飾した有価証券報告書を関東財務局に提出した。
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【用語解説】ライブドア
 堀江被告が東大在学中の平成8年に創業したホームページ制作会社オン・ザ・エッヂが前身のIT(情報技術)企業。12年4月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、企業の合併・買収(M&A)も進め、一時は金融やインターネット関連など約50社を傘下に収めた。発行株数に株価をかけた時価総額はピーク時9000億円を超え、昨年はフジテレビジョンとの間でニッポン放送株争奪戦も展開した。ライブドア株は4月に上場廃止となった。
(産経新聞) - 9月4日16時46分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060904-00000009-san-soci