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2006年09月04日(月) 11時25分

堀江被告、初公判で無罪主張 ライブドア事件朝日新聞

 ライブドア(LD)グループの証券取引法違反事件で、LD前社長の堀江貴文被告(33)の初公判が4日午前、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれた。堀江前社長は罪状認否で起訴事実を否認し、全面的に無罪を主張した。これに対し、検察側は冒頭陳述で、堀江前社長が事件の主導的立場だったとして、前社長が深く関与した粉飾決算などの経緯を詳細に述べた。LDへの強制捜査から7カ月余り。前社長の公判は、検察側との全面対決の構図となった。

東京地裁に入る堀江貴文被告=4日午前9時30分

東京地裁前は、抽選を終えた傍聴希望者などでごった返した=4日午前9時すぎ、東京・霞が関で

 堀江前社長は、LD前取締役の宮内亮治被告(39)らとは分離して公判前整理手続きが適用され、争点の絞り込みなどが行われていた。

 公判で堀江前社長は、起訴状に対する認否について、「そういった種類の犯罪を行ったことはありませんし、指示したこともありません。最初から悪意に満ちており、こういった起訴をされたことを心外に思います」と述べ、全面的に否認した。

 検察側は冒頭陳述で、LDの粉飾決算のため、携帯電話販売会社などを子会社化する取引で、ダミーの投資事業組合(投資ファンド)を介在させ、LD株の売却収入を違法に売り上げ計上したと述べた。この中で、堀江前社長が03年10月以降、宮内前取締役からこの手法の報告を受けて了承し、連結経常利益の上方修正も迫ったとした。子会社に対する架空売り上げを計上する粉飾の手口の提案も受け、「やるしかないだろう」などと話していたとした。

 また、「ライブドアマーケティング」(LDM)の決算短信を黒字と偽る際も、前社長が「どっかから利益つければ何とかなるでしょ」と指示したとした。

 これに対し、弁護側は冒頭陳述で、検察側の立証方針に全面的に反論した。まず、LDMの企業買収で虚偽の内容を公表したなどとした点について、交換比率など虚偽の部分はないうえ、堀江前社長は内容作成に関与していないとした。LDMの決算短信についても、「黒字にするよう求めたが、架空の売り上げを指示した事実はない」としている。

 また、粉飾決算については、LDのダミーとされた投資ファンドは利益追求を自主的に判断しており、連結対象ではないことなどから、自社株売却収入の売り上げ計上は「違法ではない」とした。ファンドの取引のうち売却益約1億6千万円が行方不明になっていることも明らかにし、ファンドがダミーでないことを示しているとした。さらに、前社長は、いずれの取引の経緯も把握していないとしている。

 一方、前社長の不正取引などに関する指示を認めている元側近の宮内前取締役について、「上司と部下ではなく、実質的に対等の立場」とし、LDグループが前社長の独裁下にあったという検察側の主張は「幻想に過ぎない」と述べた。

    ◇

 <堀江被告の起訴事実> 前取締役の宮内亮治被告らと共謀し、関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM)が04年10月に「マネーライフ社」買収を発表した際、株式交換比率などについて虚偽の内容を公表、同年11月に出したLDMの決算短信で本当は赤字なのに黒字と偽った(証券取引法違反の偽計取引と風説の流布)。

 また、LDの04年9月期の連結決算で、計上が認められていない自社株の売却収入を売上高に含めたり、子会社に対する架空売り上げを計上したりする手口で、経常損失が発生していたのに、約53億円の粉飾をした(同法違反の有価証券報告書の虚偽記載)。

http://www.asahi.com/national/update/0904/TKY200609040083.html