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2006年09月03日(日) 00時00分

悪いのは私? 試験場ミスで免許失効、「無免許」で罰金朝日新聞

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門真運転免許試験場=2日午後、大阪府門真市で

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 大阪府警門真運転免許試験場(同府門真市)が05年8月、海外留学していた女子大学生(22)の普通自動車運転免許を過って失効させ、その後にミニバイクを運転した女子学生が道路交通法違反(無免許運転など)罪で罰金の略式命令を受けていたことがわかった。同試験場がミスを認めたため、検察側から指示を受けた試験場の勧めで女子学生は不服を申し立て、大阪地裁で公判が始まった。ところが、検察側は「免許を交付されていない状態での運転は違法」と争う姿勢を見せており、道交法違反事件としては異例の裁判官3人による合議制で審理が続いている。

 関係者によると、女子学生は05年8月、約1年間の海外留学から帰国し、同月23日に門真運転免許試験場に免許の再交付に訪れた。女子学生の免許は留学中の同年2月に期限が切れており、門真試験場は失効から6カ月を超えていたため再交付できないと判断、免許取得のために路上で運転練習できる仮免許を交付した。

 女子学生は翌9月2日、復学手続きをするためにミニバイクで大学へ向かっていた途中、警官に見つかり、道交法違反(無免許運転など)で検挙され、同月下旬に大阪簡裁から罰金10万5千円の略式命令を受けた。女子学生は仮免許では運転できないと知っていたが、大学の窓口が閉まる時間が近づいていたために乗ってしまったという。

 女子学生はその後、海外留学していた友人が再交付されたと知り、改めて門真試験場に問い合わせた。道交法には、海外留学や入院など「やむを得ない理由」があれば期限が過ぎても再交付できると定めた特例があるが、同試験場の窓口の職員が添付資料のパスポートのコピーを点検せず、特例を適用していなかったことがわかった。

 同試験場は10月上旬、ミスを認めて女子学生に謝罪、女子学生が手続きに訪れた日にさかのぼって免許の再交付を認めた。さらに略式起訴した大阪区検の指示を受け、女子学生に無罪を求める裁判の手続きを取るよう勧めた。

 今年2月、大阪地裁で初公判が開かれ、女子学生側は無罪を主張し、検察側は「仮免許での運転は違法」として有罪を求めた。杉田宗久裁判長は「慎重に調べたい」として第2回公判から裁判官3人の合議に変更した。近く、公判の進行方針を決めるため、地裁・検察・弁護人の3者協議が開かれる予定。

 女子学生の弁護人は「そもそも略式起訴の際に検察が試験場のミスに気づいていれば起きなかった事態。行政のミスが原因の事件であり、検察側は公訴取り消しか無罪求刑をすべきだ」と主張。大阪地検は「現時点ではコメントできない」としている。

 〈門真運転免許試験場の森岡茂調査官の話〉 当時、点検に不慣れな職員が窓口にいたのでミスが起きてしまった。本当に申し訳ない。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200609020048.html