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2006年09月03日(日) 09時33分

北資金戦略、露に活路 米の追及避け、口座開設続々産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】北朝鮮の偽ドル札流通など違法金融活動に対する米政府の締め付けが強まるなか、北朝鮮がロシアの金融機関を利用して資金の移動を行っていることが2日までに分かった。北朝鮮情勢に詳しい消息筋らが明らかにしており、米政府による追及を逃れる目的があるとみられる。米政府もすでに事態を把握しているといい、今後ロシア政府に圧力を強める可能性もある。

 消息筋は、北朝鮮指導部がロシアの金融機関に約10口座を開設したと明かした。さらに、北朝鮮が米国によるマカオの銀行への締め付けが始まった昨年9月以降、ベトナム国内の銀行に保有していた口座に、「ロシアの銀行から多額の振込みもあった」と語った。

 また、ブリュッセルに本部を置くシンクタンク「国際危機グループ(ICG)」のピーター・ベック北東アジア事務所長は、このほどワシントン市内で開かれた北朝鮮問題に関する討論会で、平壌にある大同信用銀行の英国系のナイジェル・コウィ総支配人から得た情報として、ベトナムが同国内にある北朝鮮の銀行口座を数週間前から閉鎖していると指摘。同総支配人が「残る金融窓口は、ロシアぐらいになった」と述べたとした。

 ベック氏は、近くロシアに対し、米国から北朝鮮との金融取引を中止するよう圧力が強まるとの見通しを示している。米露関係をめぐっては、米政府が8月、イランに規制対象の品目を輸出したとしてロシア企業に制裁を科しており、ロシア側が「非友好的措置」と反発していた。

 ロシアは7月の北朝鮮の弾道ミサイル実験を非難する国連決議に賛成したほか、朝鮮半島の非核化も肯定している。ただ、同筋は「旧ソ連時代からのつながりから、政府とは関係のないところで小型兵器の取引などが行われている可能性がある」と指摘している。

 一方、北朝鮮については、米政府が昨年9月、偽札流通や偽たばこ密輸のマネーロンダリング(資金洗浄)の窓口になっているとして、マカオの「バンコ・デルタ・アジア」と米金融機関との取引を禁止した後は、ベトナムやロシアなどに資金を分散した。

 7月にベトナムを訪れたリービー財務次官(テロ・金融情報担当)は、産経新聞に対し、「各国の金融機関に北朝鮮関係の口座を維持するリスク評価を行うよう促していく」として、北朝鮮との取引を中止するよう圧力をかける方針を示している。

【2006/09/03 東京朝刊から】

(09/03 09:33)

http://www.sankei.co.jp/news/060903/kok031.htm