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2006年09月02日(土) 00時11分

梶原前知事の東京出張のホテル代にも 岐阜県裏金問題朝日新聞

 岐阜県の裏金問題で、梶原拓前知事が現職時代に出張で宿泊したホテル代の一部に裏金が使われていたことが、弁護士によるプール資金問題検討委員会の調査報告で1日明らかになった。報告書によると、96年ごろ、裏金調査を考えていた梶原前知事に、当時の森元恒雄副知事(現・自民党参院議員)が静観を進言した際、この裏金の件を持ち出していた。梶原前知事は進言を受け入れ、裏金の隠蔽(いんぺい)を了承したとしている。

岐阜県裏金問題の調査にあたった検討委員会の幅隆彦弁護士(左)から報告書を受け取る古田肇県知事=1日午後1時すぎ、岐阜県庁で

 古田肇知事に提出された報告書では、県に返還すべき裏金の総額は、利息を含めて約19億円と算定。使われずに残った分などを除く約14億5000万円を、県幹部や管理職の現役とOBが返すべきだとした。また、名指しは避けたが職員数人の刑事告発を求めた。

 報告書によると、全庁的に裏金づくりがあった94年度には年間約4億6600万円がつくられており、92年度までさかのぼって毎年ほぼ同額がつくられていたとした。官官接待が問題化し、情報公開条例が施行された95年を境に激減したものの、裏金づくりは一部で続き、03年度まで確認された。

 裏金の存在を隠したことに対する梶原前知事の関与については、梶原前知事と森元元副知事の主張は食い違っていた。検討委員会は森元元副知事の証言を「極めて具体的かつ自然で、信頼性は高い」として採用した。

 報告書によると、各地で裏金問題が発覚していた96年ごろ、梶原前知事も岐阜県の裏金調査を考えた。これに対して森元元副知事は事態の推移を見守るよう進言。この時、梶原前知事が東京に出張した際のホテル代の一部が裏金から出ていることを伝えた。

 本来の旅費よりホテル代の方が高く、その差額を埋めるのに裏金があてられていたという。

 裏金は98年度末、森元元副知事の指示で、県職員組合に集められた。報告書はこの経緯については、梶原前知事は知らなかったとした。

 検討委員会は裏金約14億5000万円の返還について、幹部・管理職のOBにより重い責任があるとして6割(約8億6700万円)、現職の幹部・管理職が4割(約5億8000万円)を負担すべきだと判断した。

 職員が現金や預金通帳を焼却したのは総額約485万円、廃棄したのは約100万円と認定。当初は「焼いた」としながら、後に「課内で使った」と説明を変えた職員もいた。異動時に裏金を後任者に引き継がず、その後飲食に使うなど、私的流用の疑いが極めて強い例も指摘した。

 検討委員会は、古田知事に対しても「裏金の存在が内部的に明らかになるような組織づくりができなかった」と反省を求めた。

http://www.asahi.com/national/update/0902/NGY200609010003.html