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2006年09月02日(土) 08時52分

ライブドア不明金1億円 検察側と弁護側、公判の焦点に朝日新聞

 ライブドア(LD)グループの証券取引法違反事件で、投資ファンドがLD株の売却で得た約1億円が使途不明になっていることが、関係者の話でわかった。前社長の堀江貴文被告(33)がファンドを隠れみのに粉飾決算の取引を主導したとする検察側。これに対し、前社長の弁護側は、関知しない約1億円の不明金は、前社長が主導者ではないことを裏づけるとして、4日から東京地裁で始まる公判で主張する見通し。検察側と弁護側が真っ向から対立する争点になりそうだ。

ライブドアを率いていたころの堀江貴文被告(左)と右腕だった宮内亮治被告=04年6月、東京都内で

自社株の還流と不明金の流れ

 起訴状によると、堀江前社長らは、LDの04年9月期の連結決算で約53億円の粉飾をした。そのうち約37億円が、売り上げ計上が認められていない自社株の売却収入を売上高に含めていたとされる。この手口は、投資ファンドを介在させてLD株を高値で売り抜け、LD側に売却収入を還流させたというものだ。

 検察側は、このファンドはLD側への還流を隠すために作られた完全なダミーとし、堀江前社長は、LD前取締役の宮内亮治被告(39)からこの手口の報告を受け、了承していたとしている。

 分離して5月に開かれた宮内前取締役らの初公判では、検察側が、前社長の指示を詳細に再現した異例の冒頭陳述を行い、不正取引や粉飾決算に至った具体的な経緯を立証する方針を明らかにした。

 これに対し、弁護側は8月までの公判前整理手続きの中で、「了承も指示もしていない」と完全に否定。さらに、違法取引の要とされるファンド自身が投資判断した取引で、売上高計上も決算粉飾にあたらないと、検察側に反論していた。

 この投資ファンドを使った取引の中で、04年2月にLDによる買収が公表された人材派遣会社「トライン」との株式交換後、投資ファンドがLDの新株を売却して得た約1億円が使途不明になっているという。検察側は、トラインをめぐる取引を起訴事実には入れていない。

 関係者によると、この取引は、宮内前取締役らが担当していたという。

     ◇

 〈キーワード:堀江前社長の公判〉9月から11月まで26回が予定されており、分離公判中の宮内亮治前取締役ら18人が証人として法廷に立つ。

 起訴事実によると、堀江前社長は宮内前取締役らと共謀し、関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM)が04年10月に出版社買収を発表した際、株式交換比率などについて虚偽の内容を公表、同年11月に出したLDM決算短信で本当は赤字なのに黒字と偽った(証取法違反の偽計取引と風説の流布)。さらに、LDの04年9月期の連結決算で、子会社に対する架空売り上げを計上するなどの手口で、約53億円の粉飾をした(同法違反の有価証券報告書の虚偽記載)とされる。

http://www.asahi.com/national/update/0902/TKY200609010395.html