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2006年09月02日(土) 03時08分

「前知事、責任重い」 岐阜県の裏金で検討委朝日新聞

 「梶原拓前知事の責任は極めて重い」。岐阜県の裏金問題を調査してきたプール資金問題検討委員会の弁護士は1日、かつての県政トップを正面から批判した。裏金の存在を認識しつつも長年見過ごし、県政浄化の機会を失わせたと厳しく指摘。「改革派知事」と呼ばれた裏で、公金に対する腐敗の抜本的な改革を先送りにした実像を浮き彫りにした。

 「梶原前知事に東京出張の際のホテル代の一部が不正経理から捻出(ねんしゅつ)されていることを知らせたが、反論もなく、その後、旅費規定の改定を指示された」

 「総務部長がミニコミ誌の購読をやめてよいか相談したが、『そんなものは就任当時からやめよといっているだろう』と言って不愉快になり、奥へこもってしまった」

 検討委員会がまとめた報告書は、裏金にかかわる問題に触れた際の梶原前知事の言動について、元県幹部らの証言を詳しく盛り込んだ。

 検討委員会はこうした梶原前知事の姿勢について、裏金隠しに関与した県幹部や県職員組合の幹部と比べ、「彼らにも増して重大な責任がある」と言い切った。

 検討委員会によると、三重県などで裏金問題が発覚したため、梶原前知事はいったん裏金の総点検を検討した。

 だが「県庁全体が混乱する」とする当時の森元恒雄副知事(現・自民党参院議員)の助言を受けて翻意した。以後は、「あるかどうかは関知しないが、もし見つかれば処分する」という姿勢に終始したと指摘した。

 検討委員会の幅隆彦委員長は記者会見で「裏金を明らかにできず、隠す方向に組織全体が動いた」と述べた。職員が裏金を焼いたり捨てたりしたとされることについても「梶原前知事の姿勢が招いたとも言える」と強調した。

 梶原前知事は現在、岐阜県イベント・スポーツ振興事業団の会長や、県顧問、地方自治情報センター顧問など複数の公職を務めている。委員会は「自ら公職を退いていただくことを期待する」と注文をつけた。

 梶原前知事は検討委員会の報告を受けて、いったんは2日に記者会見すると発表していた。だが、会見は一方的に延期され、予定は立っていない。

http://www.asahi.com/national/update/0902/NGY200609010007.html