悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年09月02日(土) 00時00分

「不法占有」海の家、県が強制撤去へ 朝日新聞

 九十九里浜などの砂浜を海水浴シーズン(6〜8月)以外も不法に占用している28軒の海の家を、県は、近く強制撤去する方針を固めた。かつては、地元の海浜公園構想に沿い、通年占用が認められていたが、国の指摘を受けた県は97年4月から、海水浴シーズンを想定した短期占用だけを許可する方式に制度を変更。同制度をめぐっては国と海の家で係争中だが、海岸管理者の県は「ルール違反をいつまでも放置できない」と判断した。(神元敦司)

 県が強制撤去するのは九十九里町片貝海岸の25軒と、富津市布引海岸の3軒。05年度は片貝海岸には約42万8千人が訪れ、海水浴場としては県内一の集客数だった。両海岸の海水浴場は8月末までに閉鎖している。

 海の家は平屋の簡素な建物だけでなく、鉄骨造りもある。それでも県河川計画課は「九十九里町だけでも年内には片づけたい」。1千人規模の職員を投入するという。
 強制撤去は海岸法などに基づく行政代執行。費用は県が一時的に肩代わりするが、いずれは各事業者・個人に請求する。支払いを拒めば財産を差し押さえる。県は肩代わりの撤去費用を数億円と見込んでいる。

 県は5月、海の家の各所有者に強制撤去の意向を伝えている。数人が自主的に撤去する構えを見せているが、多くは反発したままだ。

 海岸を所有する国は、各所有者を相手取り、土地の明け渡しを求める民事訴訟を起こしてきた。一審での原告勝訴が相次ぐ中で、鉄骨造り3階建て「海の家 ヤマサ荘」の経営にかかわる九十九里町田中荒生の斉藤昇さん(70)らは6月、東京高裁に控訴した。

 斉藤さんは「通年占用許可を受けて、22年前に建てた。町の観光振興の発展に寄与してきたのに」と主張している。

 別の海の家で働く従業員の男性も「ここで生計を立てており、生活がかかっている。行政が方針転換した結果、強制撤去だというのは理不尽ではないか」と憤っている。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000609020003