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2006年09月02日(土) 20時36分

「たらい回し」解消? 民間委託のコールセンター急増中朝日新聞

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民間委託で運営されている「京都いつでもコール」=京都市で

 「たらい回し」は、これで解消——。自治体に対する電話での問い合わせを、民間のオペレーターが一手に引き受ける「コールセンター」が全国に広がっている。役所が閉まっている時間帯にも対応でき、行政サービスの向上につながっている。

 「清水寺にはどう行けばいいですか」

 京都市内の民間ビルの一室にあるコールセンター「京都いつでもコール」(075・661・3755)には、1日に平均90件の問い合わせが寄せられる。納税や証明書交付についての質問だけでなく、有名寺社への道順や祭り、催し情報などの問い合わせも多い。

 市は1月、通信関連会社に年間約6100万円で委託してセンターを開設した。年中無休。午前8時から午後9時まで、のべ10人余りのオペレーターが3交代でパソコンの前に座り、電話での問い合わせに応じている。

 市はオペレーターを対象に1カ月間の研修を行い、行政サービスや歴史、観光スポットに精通してもらっている。よくある質問約2300項目の回答例を作り、素早く対応できるようにした。

 以前は、住民からの問い合わせは市の代表電話で受け付け、担当部署に振り分けていた。担当が複数の課にまたがると、電話がたらい回しになることも多かった。センターにかかってくる電話の95%は担当部課に回さずに回答できているという。

 市広報課の中村好宏・広聴IT担当課長は「敷居が高いといった役所のイメージを変え、気軽に行政サービスを利用してもらうきっかけになれば」と話す。

 大阪市は昨春、24時間対応のコールセンター「気軽になにわコール」(06・4860・7285)を設けた。年間約1千万円で民間委託している。休日の診療所案内など緊急情報だけでなく、住民票の取得方法や市主催のイベント情報なども年中無休で提供する。

 今年4〜7月は月平均で約950件の相談が寄せられた。これまでも時間帯別に複数の会社に委託していたが、深夜は緊急情報に限っていた。広聴相談課の馬場正和・課長代理は「ほとんどの案内を同じ番号で対応でき、利便性を高められた」とみる。

 民間委託方式のコールセンターは札幌市が03年4月に開設し、横浜や北九州などに広がった。問い合わせ内容も様々だ。「駅から徒歩5分以内のホテルを知りたい」「20人ほど入れる居酒屋は」……。一般の検索サイトで調べて教えてくれるセンターもある。

 岐阜県は6月から約3カ月間、岐阜市など県内7市と共同でコールセンターを試験的に導入した。県情報企画課の担当者は「共同だと経費は安くなる。オペレーターが掛け持ちするため、住民に別の市の情報を間違えて教えることを懸念していたが、そういう事態は起きていない」と話す。

 委託を受けているのは、通信関連会社や民間のコールセンターを請け負っている企業が多い。NTT東日本ビジネスユーザ事業推進本部は新たなビジネスチャンスととらえ、公共料金や税金の督促など、自治体側から住民に働きかける仕事ができないか提案しているという。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200609020039.html