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2006年09月01日(金) 01時46分

電気ストーブから有害物質、健康被害認め賠償命令読売新聞

 電気ストーブを使用したことで、化学物質によって頭痛や目まいなど様々な症状を起こす「化学物質過敏症」になったとして、東京都内に住む大学生の男性(22)と両親が、販売元のイトーヨーカ堂(本社・東京)に1億円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が31日、東京高裁であった。

 横山匡輝裁判長は、男性の症状はストーブから発生した化学物質によるものと認定した上で、「購入者に健康被害が生じないようにする義務があった」と述べ、請求を棄却した1審・東京地裁判決を取り消し、約550万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2001年1月、都内の店舗で購入。使い始めてから約1か月半で、手足のしびれや顔のマヒが起きるようになった。ストーブは台湾メーカー「燦坤(サンクン)」社が中国で製造した「ユーパ TSK—5302LG」だった。

 判決は、「電気ストーブのヒーター前面に取り付けられたガード部分に塗られた有機塗料が加熱され、中枢神経機能障害などを引き起こすとされるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドなど人体に有害な化学物質が発生し、男性の症状を引き起こした」と認定。

 さらに、同タイプのストーブに関し、「異臭がする」などの問い合わせが約2年半の間に68件、メーカーの日本法人にあったことを指摘し、「販売会社も安全性が確認されるまで、販売を中止するなどの措置をとるべき義務があった」と結論づけた。

 1審・東京地裁判決は、ストーブの使用で有害物質が出ることは認めたが、症状との因果関係は否定していた。

 イトーヨーカ堂は同一機種を00年度だけで5341台販売。他の販売会社も含めると、同タイプのストーブは00年9月〜03年3月で約29万台が販売された。原告代理人は「家電製品による健康被害を認定した画期的な判決」と話した。イトーヨーカ堂は、「商品の回収などは決まっていない。上告する方向で検討している」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060831it14.htm