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2006年09月01日(金) 00時00分

電気ストーブで化学物質過敏症 ヨーカ堂敗訴 東京新聞

 電気ストーブから発生した有害な化学物質で健康を損なったとして、東京都の男子大学生(22)と両親が、ストーブを販売したイトーヨーカ堂(ヨーカ堂、東京都千代田区)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が三十一日、東京高裁で開かれた。横山匡輝裁判長は「ストーブ使用と健康被害には因果関係があり、販売する側も危険性を予見し得た」として、請求を退けた東京地裁判決を取り消し、ヨーカ堂に五百五十四万円の支払いを命じた。

 ストーブから発生する化学物質による健康被害を認め、メーカーではなく販売店に賠償を命じる判決は珍しいという。

 問題となったストーブは、台湾の家電メーカーが中国で製造した「ユーパ TSK−5302LG」。

 判決によると、この男子学生は、二〇〇一年一月にヨーカ堂の店舗で購入した電気ストーブを、一日数時間、約一カ月間使用。その後、化学物質が原因と思われる呼吸困難などの症状で入院し、後遺症として化学物質過敏症になった。

 横山裁判長は、専門機関の調査報告をふまえて「ヒーターとガード部分の間隔が一般の電気ストーブよりも狭く、高温になった有機塗料から化学物質が発生した」「ストーブの使用と健康被害には因果関係がある」と認定。「メーカー側に異臭などのクレームが多数寄せられていたことから、販売店側も化学物質の発生や健康被害について予見できた」として、ヨーカ堂が安全注意義務を怠ったと判断した。

 同型のストーブは、二〇〇〇年九月から〇三年三月までに国内で約二十九万台が販売されたが、回収はされていない。

 ヨーカ堂は「判決内容を検討したうえで、上告の方向で検討する」というコメントを発表した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060901/mng_____sya_____007.shtml