2006年09月01日(金) 11時59分

被害女性「ストーカーいる」、生前訴え　高専生殺害事件（朝日新聞）

　山口県周南市の徳山工業高等専門学校で土木建築工学科５年の中谷歩（あゆみ）さん（２０）が殺害された事件で、中谷さんが最近、親しい男性に「学校で男の人につきまとわれ、困っている」と打ち明けていたことがわかった。一方、学校の友人らによると、殺人容疑で逮捕状が出ている同級生の男子学生（１９）にこうした言動があった気配は感じられなかったという。県警は、事件との関連の有無を慎重に調べるとともに、行方がわからない男子学生の捜索を続けている。

　関係者によると、中谷さんは親しい男性に「ストーカーみたいな男の人が学校にいて、つきまとわれている」と相談していた。この男性は事件直後、「何らかの関係があるのではないか」と感じたという。

　中谷さんと男子学生は、同じ研究室に所属していた。友人らによると、２人は親しい間柄ではなかった一方で、トラブルを抱えている様子もなく、男子学生によるストーカー行為を思わせるような言動については心当たりがないという。

　中谷さんは明るく活発な性格で、周囲の人気者だった。同学年の学生の一人は「クラス（学科）のリーダー的存在で、違う学年の学生でも知っているほどだった」と話す。今夏まで野球部のマネジャーを務め、部員らからも信頼されていた。知人らは「人から恨みを買うような女性ではない」と口をそろえる。

　こうしたことから県警は、男子学生が何らかの理由で中谷さんを逆恨みしたか、突発的なトラブルが起きるなどして犯行に及んだのではないかとみて、中谷さんが訴えたストーカー行為の実態解明を進めている。

http://www.asahi.com/national/update/0901/SEB200608310012.html