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2006年09月01日(金) 03時04分

災害弱者救援リスト、作成自治体は4分の1…読売調査読売新聞

 新潟豪雨など一昨年7月に相次いだ豪雨災害で多くの高齢者が被災したことを教訓に、国が昨春から各自治体に求めている災害時要援護者のリスト作りが、東京23区、政令市など全国72の主要自治体のうち、19自治体にとどまっていることが、1日の「防災の日」を前に実施した読売新聞の調査で分かった。

 未作成の自治体の多くが個人情報保護との両立の難しさを理由に挙げたほか、作成済みの自治体でもリストに登録する希望者を募る方式を採ったところでは登録者数が伸びないなど、人命救助と個人情報保護のはざまで悩んでいる姿が浮かんだ。

 調査は8月、東京23区、政令市、県庁所在地の計72自治体を対象に実施した。

 国は昨年3月に出した避難支援ガイドラインで、独り暮らしのお年寄りや心身障害者など要援護者の避難支援プランを作るよう、自治体に要請。その前提として、要援護者情報を把握・共有するために、リストの作成を求めた。

 情報収集の方法では、〈1〉自治体の福祉部局などが持つ要援護者情報を、本人の同意を得ずに防災部局などと共有する「関係機関共有方式」〈2〉自ら登録を希望する人の情報を集める「手あげ方式」〈3〉自治体などが要援護者に直接働きかけて登録への同意を得る「同意方式」——を挙げている。

 国は今年3月、リスト作成が進まないことを受け、ガイドラインを改定。各自治体には個人情報保護条例があるが、行政機関個人情報保護法で「明らかに本人の利益になるとき」には個人情報の目的外利用や本人以外への情報提供もできると規定されているのを参考に、積極的に共有方式を採るよう要望、「今年度中にリスト整備を済ませてほしい」としている。

 ところが、読売新聞の調査では、27自治体が「未作成」と回答。このうち15自治体が、個人情報保護などがネックとなって進んでいないと答えた。

 また、作成済みの19自治体でも、個人情報保護の観点から手あげ方式だけで行った8自治体の中には、希望者の少ない点に悩んでいるところもあった。

 国は、被災地で要援護者支援の中核となる地域の防災会などとも協定などを結んで守秘義務を確保した上で、平時からのリスト共有も勧めている。しかし、作成済み19自治体のうち7自治体は、平時の情報の共有を福祉部局、防災部局など行政内部にとどめていると回答、非常時の情報の有効活用などに不安を抱えていた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6000/news/20060901it01.htm