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2006年09月01日(金) 11時00分

聴覚障害者詐欺:上手な手話で信用した 返金信じる人も−−告訴の2人が会見 /山梨毎日新聞

 「聴覚障害者が使うような上手な手話で勧誘され信用してしまった」。高金利を約束され預けた計5750万円を詐取されたとして31日、東京都世田谷区の会社の女性社長(55)と従業員3人を詐欺と出資法違反(預かり金の禁止)容疑で県警に告訴した県内の聴覚障害者6人のうち2人が記者会見し、悔しさをにじませた。被害対策弁護団も「社会的弱者を狙った悪質な犯行」と糾弾した。
 1100万円を預けた50歳代の女性は「老後の生活資金や家のリフォーム代に充てようと思ったお金。1週間後に解約しようと思ったが返金されず、だまされたと思った」。自宅のローン返済に充てようと思っていた1300万円を預けた男性(62)は、「何度も勧誘され断りきれなかった」と話し、連絡が取れなくなっている社長らに対しては「本当のことを話すべきだ」と訴えた。
 告訴状は、▽手話が使える健常者を「聴覚障害者のために手話を習得した人」と考え、自然と信頼してしまう▽ろう学校でも健常者の指示に従うよう教えられる——と聴覚障害者の特徴を挙げ、社長らはそこにつけ込んだと指摘した。
 弁護団によると、県内では少なくとも30人の聴覚障害者が計約1億5000万円を預け、8人が6月に被害者の会を設立。借用書などが残る6人が告訴した。被害者の会の8人以外は「返金される」と信じているという。【吉見裕都、宇都宮裕一、沢田勇】
 ◇「あなただけ」と社長らが口止め−−仲介の聴覚障害者、違法手助け知らず
 会見した2人や相談が寄せられている県聴覚障害者情報センターによると、社長らは金を預かった県内の30人に個別に「あなただけの話だから」と口止めしていた。勧誘された人は周りに相談せず、被害が広がったと同センターはみている。社長らは聴覚障害者2人の仲介を得て勧誘していたが、仲介者は違法行為を手助けしているとの認識は持っていない様子という。
 また、社長らは仲介者を通じて県内の現金を預けた人たちに連絡を取り今年6月以降、少なくとも4回会合を開き、「必ず返金する」「告訴するとお金が戻らない」などと告訴しないように説得していた。【吉見裕都】

9月1日朝刊
(毎日新聞) - 9月1日11時0分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060901-00000001-mailo-l19