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一審さいたま地裁判決は猪野さんへの元交際相手の男(自殺)側からのストーカー行為に対する県警の捜査について「不誠実な対応で、警察への期待と信頼を裏切った」と認定した。
しかし、最大の争点だった捜査の怠慢とその後の殺害事件との因果関係は認めず、二審判決も殺害に関する県警の責任を否定した。
昨年1月の二審判決などによると、猪野さんは元交際相手の男やその兄の小松武史被告(40)=一、二審無期懲役、上告中=らから中傷ビラなどの嫌がらせを受け、99年7月、名誉棄損容疑で上尾署に告訴したが、署員が調書を改ざんするなどして捜査を怠った。
猪野さんは同年10月、JR桶川駅前で、小松被告から指示された仲間の男(懲役18年確定)に刺殺された。
上尾署員3人は2000年5月、虚偽有印公文書作成罪などで起訴され、有罪が確定している。
■「夫婦の闘いは死ぬまで」
「司法は警察の味方をしている。ひどい」。埼玉県警の捜査怠慢と殺害との因果関係を認めなかった30日の最高裁の上告棄却の決定。被害者の女子大生の母親(56)は、同県上尾市の自宅で、涙に声を震わせた。
部屋には笑顔の娘の写真。母親は「警察が娘を助けるチャンスはいっぱいあったのに、なぜ殺されなければならなかったのか。犯人にも警察にも娘を返してと言いたい」と訴える。
母親の耳には詩織さんのピアス。「(決定は)娘に報告できる内容ではない。わたしたち夫婦の闘いは一生、死ぬまで。ここで終わりではありません」と娘のハンカチを握り締めた。
父親(56)は「詩織は警察に救いを求め何度も訪れたのに、捜査もせずにほっておかれた上、犯人に娘は殺害された」と文書でコメント。決定を「裁判所が公正に事実を見つめ判断することを期待していたが、正義を守るよりも、官が官の組織を守ってしまった」と批判した。
ZAKZAK 2006/08/31