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2006年08月31日(木) 00時00分

特別な客に与える“接待用”…良番市場実態とはZAKZAK

キリのいい数字なら値段ケタ違い 「1234」や「7777」といった「良番(りようばん)」と呼ばれる番号の携帯電話をだまし取ったとして兵庫県警に会社社長が詐欺容疑で逮捕された。同社はありとあらゆる良番を入手し、キリのいい番号は数百万円という超高額の値をつけて販売していた。携帯キャリア(事業者)は「ゾロ目はあり得ない」といいつつも、なぜか存在する「良番」。一体、業者はどうやってゲットしているのか。

 詐欺などの容疑で逮捕されたのは札幌市内の電話番号販売会社社長(31)、同市内の暴力団組員(32)の両容疑者。県警暴力団対策課の調べでは、組員は昨年5月、西宮市内の携帯電話販売会社所有の「090」の後がすべてゾロ目というスゴい番号を譲渡する委任状を偽造し、番号をだまし取った。社長は報酬として約300万円を支払っていた。

 携帯電話に詳しいITライターは「携帯電話の番号は『090』に続く1−3桁目は契約した地域とキャリアの会社別に割り当てがある」と解説する。「例えば『090−123〜』だった場合はツーカー東海、『090−111〜』はドコモ中央という具合に割り当てが決まっている。その後の番号はキャリア各社が独自に決定する」。

 それでは下4−5桁の良番はどのように割り振られるのか。ある携帯キャリアは「4桁ゾロ目はあり得ません。特定の方に便宜をはかるようなことはない」というが、「過去にさかのぼると地域会社に分かれていたこともあり、ゾロ目もあるかもしれない」とも。

 別のキャリアは「基本的にないが番号が不足した場合には出すことがある」と存在を認めた。

 実際、社長の開設した良番販売用ホームページには下4桁ゾロ目はまだ序の口で、「1616−1616」が288万円、「6767−6767」が300万円、「8888−8880」が294万円…と奇跡のような番号がズラリと並んでいる。

 さらに平成15年7月には「090」以下すべてゾロ目、17年11月には「1234−5678」という極めて珍しい番号を入手したと記載があり、価格は「ASK」(応相談)と明かしていない。社長は2つ目のオールゾロ目を手に入れるべく、荒っぽい手口を使い、御用となったのだ。

 携帯電話評論家の木暮祐一氏は「実は電話会社の端末には番号を割り振る際、ゾロ目が出せないようロックされている。auとドコモは希望の下4桁が選べるサービスを始めたが、そこでもゾロ目は対象外となっている」とゾロ目の稀少性を指摘する。「良番業者はまず、客から欲しい番号の要望を聞く。その後、片っ端から要望のあった番号が含まれる携帯に電話をかけ、譲渡するようにお願いする。良番を持った人が業者に買い上げを依頼するケースもある」(木暮氏)という。そもそもどうやって良番は“誕生”するのか。

 木暮氏は「特別なお客さんだけに払い出される。接待用です。たとえば電話会社が何かのトラブルが起こした際、見返りとして出される場合もあるようだ」と解説する。ただ、「以前は良番に数千万円の値段が付いたこともあったが、今は番号が選択できるようになり、ニーズは減っている」(木暮氏)。

 一般に市場ではドコモが高く、それ以外のキャリアは安いという傾向があるという。また、ほかにも暴力団を通じて不正な入手があったとみて調べを進めている。

ZAKZAK 2006/08/31

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006083124.html