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2006年08月30日(水) 17時25分

寄付で保存のC12、ATSなく運転停止 復帰待つ朝日新聞

 市民らの寄付で保存され、静岡県の大井川鉄道で元気な姿をみせていたC12型蒸気機関車が、昨年4月から車庫で眠ったままになっている。自動列車停止装置(ATS)がついておらず、運行できなくなったからだ。所有者の財団法人、日本ナショナルトラスト(東京都文京区)は、ATS設置費用の募金を呼びかけている。

運行できないでいるC12=静岡県の大井川鉄道で、日本ナショナルトラスト提供

 この機関車は、ローカル線を中心に活躍したC12型の164号機。1937(昭和12)年につくられた。

 様々な文化遺産の保存に取り組む日本ナショナルトラストが、一般や企業から集まった寄付金をもとに旧国鉄から購入。一緒に買った旧型客車3両とともに、管理を委託した大井川鉄道で87年から走っていた。

 一方、国土交通省は、福井県の京福電鉄(現・えちぜん鉄道)の正面衝突事故をきっかけに02年2月と04年6月に、ATS整備などの安全対策強化を中小私鉄向けに通達。これを受けて大井川鉄道は、自社所有の蒸気機関車5両のうち老朽化がひどい1両を除く4両にATS装置をつけた。

 だが、日本ナショナルトラスト所有のC12はATS装置をつける費用がなく、このため昨年4月から運行から外された。

 日本ナショナルトラストは、昨年6月ごろから、ATS設置費用を募り始めた。目標金額は750万円だが、集まったのは今年7月末現在で約230万円にとどまっている。

 大井川鉄道もC12の復活を待つ。自社所有の蒸気機関車だけでは、急に調子が悪くなった時の代役が足りず、安定的な列車の運行に不安が残るためだ。「今はなんとかなっているが、C12に早く復帰してもらいたい」と運輸部の担当者は話している。

 募金は1口1200円。郵便振替で口座番号00120・2・106140「財団法人日本ナショナルトラスト」へ。通信欄に「トラストトレインファンド」と記入する。問い合わせは事務局(03・6303・1110)へ。

http://www.asahi.com/life/update/0830/005.html