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2006年08月29日(火) 15時06分

<スキミング事件>首謀者中国人「ゲン」を追え 正体まだ謎毎日新聞

 中心人物「ゲン」を追え——。被害総額約8億4100万円、被害者209人に上ったゴルフ場を舞台にしたキャッシュカード(銀行カード)のスキミング事件。警視庁などは日本人と中国人の計26人を逮捕し、公判は今も続くが、通称名「ゲン」を名乗る中国人の男の存在がクローズアップされている。警視庁捜査3課はゲンが事件の首謀者とみており、「国内のカード偽造事件の全容を知る男」と位置づけているが、2年に及ぶ捜査でも行方はおろか、本名すら判明していない。
 調べでは、ゲンは身長約180センチ、42〜43歳。当初は「テン」とも名乗っていた。中国人と分からないほど流ちょうな日本語を使い、13年ほど前、学生として来日。上海出身とされている。
 03年夏、ゲンは日本人グループのリーダー、藤原高広被告(35)を仲間に引き入れた。「クレジットカードと違い偽造銀行カードは、一度に金をたくさん口座から下ろせて、もうかる。スキミングしてくれれば、手数料を払う」。藤原被告はゴルフ場の元支配人(公判中に死亡)を仲間に引き入れ、複製した貴重品ボックスのマスターキーを使って客のカードをスキミング、暗証番号も入手し、中国人グループにデータを引き渡していた。
 捜査3課は当初、別の男が首謀者とみていたが、逮捕者の供述などからゲンの存在が浮上。しかしゲンの姿を確認したのは、04年6月に渋谷区代々木で日本人と接触した際と、7月1日夕にJR上野駅で他の仲間と寝台特急「北斗星」で北海道に向かった時などの数回だけ。5メートルごとに建物の壁に張り付いて後方を確認したり、9階にあった関係先マンションの部屋に出入りする際、深夜でも非常階段を使用するなど、異常なまでに警戒する姿だった。
 北海道に同行した仲間ら3人が神奈川県警に入管法違反容疑(旅券不携帯)で現行犯逮捕されると、藤原被告とも連絡を絶ち、行方をくらませた。ゲンが首謀者だったと判明する半年前だった。
 データの受け渡し場所は、JR代々木駅周辺の路上や地下のカラオケボックス。日本人グループにアジトを隠し、偽造カードは盗品の銀行カードにデータを上書きする用心深さだった。逮捕された中国人はゲンについての供述を拒み、捜査側がゲンを特定する材料は、ぼやけた写真が残った以外になく、指紋すらも取れていない。
 捜査幹部は「スキミング事件以後も、ゲンが中国人のカード偽造グループで中心的役割を担っている可能性は高い」として、偽造カード事件の摘発を進めているが、その影は今のところ確認されていない。【宮川裕章、鈴木泰広】
(毎日新聞) - 8月29日15時6分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060829-00000053-mai-soci