2006年08月29日(火) 13時18分

高１長男と友人逮捕　稚内の母親刺殺容疑「離婚に不満」（朝日新聞）

　北海道稚内市の病院パート職員の女性（４６）が自宅で刃物で切られて死亡しているのが見つかった事件で、稚内署の捜査本部は２９日未明、通報者である高校１年生の長男（１６）と、友人で中学時代の同級生の男子生徒（１５）を殺人容疑で逮捕した。調べに対し長男は「両親の離婚に不満があった。刃物と着ていた衣類は稚内港に捨てた」とし、２人は「大変なことをしてしまった」などと話しているという。

　調べでは、２人は共謀して２７日午後１０時ごろ、女性宅で、刃物で女性の首などを数カ所切りつけて殺害した疑い。死因は失血死だった。

　事件は２８日午前０時ごろ、長男が隣家を通じて１１９番通報したことで発覚した。当時、友人は自宅に戻っていたという。傷の形状などから鋭利な刃物を使って切りつけたとみられる。犯行に使われた刃物について、同署は長男の供述に基づき、稚内港を捜索している。１階の居間は物が散乱し荒らされたような跡があったという。ただ、捜査本部は捜査の目をそらすための偽装と見ている。

　逮捕された友人は、現在は稚内市内の定時制高校の１年生。同校の校長は「警察から連絡を受けて初めて分かった。遅刻もせず、毎日登校し、一生懸命に勉強していた。アルバイトをしていたこともあると聞いている」と話している。

　長男は４年前に離婚した母親とともに神奈川県から稚内に移り住み、地元の中学に通っていた。

　調べに対し、長男は当初、「２階で音楽を聴いていた。トイレに行くのに１階に下りたら母親が血を流して倒れていた」と話し、金髪の男が玄関から飛び出していくのを見たと説明していた。しかし、話にあやふやな点が多いことや目撃者がいないことなどから、捜査本部が事件発覚直後から任意同行し、事情を聴いていた。

http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200608290067.html