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2006年07月24日(月) 09時58分

音楽配信最新事情!キーワードはPCとケータイとの連動オリコン

 日本では02年にスタートした音楽配信市場は、急成長した着うた及び04年スタートの着うたフルが未だPCを含めた全市場の約9割を占めている。日本レコード協会発表の統計『有料音楽配信売上実績』( データ表 )を見ると、05年の音楽配信の市場規模は342億8300万円。うち、94.3%が「モバイル」向け配信によるもので、昨年から今年にかけ、急激な伸びを示しているとは言え、PC向け音楽配信は06年第1四半期に入って、初めて構成比10%を超えたという状態だ。

 そんな日本の音楽配信の状況も、今年に入って、2つの大きなトピックがもたらされた。このPC向け音楽配信と着うた、着うたフルは、いずれもダウンロード型のサービスだが、今年に入って、リアルネットワークスが、進化したインターネット・ラジオとでも言うべき“リアルミュージック"を5月にスタート。さらに、米ナップスターと日本のタワーレコードが共同で昨秋設立したナップスタージャパンは、5月下旬の時点で、同社のサブスクリプション(月額定額制)型音楽配信サービス“Napster/ナップスター"の概要と、同サービスを今秋開始することを発表した。

 これらはいずれも従来のダウンロード型配信とは一線を画するサービスであり、PC向け音楽配信の多様化を大きく促すものになると考えていいだろう。
 そして、もう一つのトピックが、配信された音源を軸にモバイルとPCとを連動させる新しいリスニングスタイルの提案がもたらされつつある点だ。

 まず、今年1月、KDDIが新たな音楽プラットフォーム“au LISTEN MOBILE SERVICE(LISMO)"を発表。着うた、着うたフルなどの音楽関連サービスで他のキャリアをリードするKDDIが開始した、着うたフルを軸に、携帯電話端末とPCとをシームレスに連携させるサービスで、従来はできなかった、携帯電話でダウンロードした着うたフルのPCでのバックアップや再生、5月に開設したLISMO Music Storeを通じてのPCでの着うたフルのダウンロードを可能にしている。
 そのKDDIは6月20日から、国内では初めて“ウォークマン"の名を冠したソニー・エリクソン製の携帯電話・W42Sを発売した。これは、音楽機能に思い切って振り向けたモデルで、LISMOに対応しているのはもちろん、ATRAC対応PC向け音楽配信でダウンロードした音源も転送し、着うたフルとシームレスなかたちで再生することが可能だ。

 一方、NTTドコモも、6月7日から順次出荷を開始したFOMA9シリーズの一部から着うたフルの配信サービスに参入。また、同時期発表された新機種8モデルのうち、F902iSはWindows Media形式に対応しており、USBケーブルで接続したPC上のWindows Media Player 10で管理されている楽曲の転送・再生や、WMA対応音楽配信サービスでPCにダウンロードした音源の転送・再生もできる。
 さらに、ボーダフォン(ソフトバンク)とアップルコンピュータが共同で、いわゆる“iPodケータイ"の開発を検討しているとの報道もあった。

 これらが示すものは、ポータブル音楽プレーヤーとして携帯電話端末が大きくクローズアップされつつあるという事実だ。
 いまや携帯電話には、カメラが当たり前に搭載されている。KDDIでは基本的に今後発売するWIN端末はすべてLISMO対応にするとしているが、仮に出回っている携帯電話端末のすべてが本格的な音楽聴取に耐えられるものになったとしても、携帯電話のカメラの他に必要に応じてデジタルカメラを使う人たちがいるように、iPod等のニーズまで侵食していくとは考えづらい。
 しかし、音楽のライトユーザーや、あるいは「今日は音楽をちゃんと聴きこもう」というのではないシチュエーションを、携帯電話が取り込んでいくであろうことは容易に想像できる。いまや携帯電話は一人に1台以上という規模で普及しつつある。加えて、着うた市場の急進が示す携帯電話端末で音楽を聴くという習慣の定着が、それを裏付けるだろう。

 『有料音楽配信売上実績』( データ表 )は、ORICON STYLEで。
(オリコン) - 7月24日9時58分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060721-00000018-oric-ent