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2006年07月21日(金) 23時30分

経産省、93年に対策マニュアル 都市ガス用は抜け落ち朝日新聞

 パロマ工業製湯沸かし器で死亡事故が相次いだ問題で、93年に業界を所管する通産省(当時)が作成した事故防止マニュアルがLPガス事業者向けだけで、一般の都市ガス業者向けには作成しなかったことが分かった。その後、都市ガスでの死亡事故が相次いでおり、安全対策でも省内の連携不足を露呈した格好だ。

 経済産業省などによると、同社製湯沸かし器を使っていた奈良県内のアパートで92年1月、2人が死亡し、2人が軽症になる事故があり、4日後には神奈川県内で2人が軽症に。さらに4月には札幌市で2人が死亡する事故が起きた。

 いずれもLPガスで起きたことから、通産省でLPガスを担当した液化石油ガス保安対策室はパロマ工業に事故原因の究明などを求めたという。

 同社は同年5月に「事故は、製造上の欠陥ではなく、安全装置の機能を無効にするという不当な改造が行われた結果だ」と報告。同年8月、同対策室に「各県のLPガス協会に安全装置の点検(改造の発見)を指示してほしい」との文書を出した。

 同対策室は93年3月にLPガス業界向けに「CO中毒事故防止マニュアル」を作成し、業界団体を通じて注意を呼びかけた。

 パロマや経産省によると、マニュアルが出来る前は、LPガスでの死亡事故は6件、都市ガスでの死亡事故は2件だったが、マニュアルが出来た後はLPガスの死亡事故はなくなった。これに対し、都市ガスでは94年以降事故が相次ぎ、7人が死亡。昨年11月には東京都港区で1人が死亡し、警視庁が業務上過失致死の疑いで捜査している。

 経産省は「LPガスと都市ガスで所管が違うが、湯沸かし器はどのガスでも使われる。省内での連携不足は否定できない。謙虚に反省しなければいけない」(液化石油ガス保安課)としている。

http://www.asahi.com/national/update/0721/TKY200607210664.html