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2006年07月20日(木) 11時12分

WSJ-イーベイ4−6月期は14%減益、通期見通しは上方修正ダウ・ジョーンズ

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米ネット競売大手のイーベイ(Nasdaq:EBAY)が19日発表した4−6月期決算は、売上高が前年同期比30%増加した一方、純利益は同14%減少した。出品1件当たりの収入が減少し、成長が頭打ちになりつつあることが示唆された。

同社はこのほか、自社株買いを初めて実施すると発表。最大20億ドル相当を向こう2年間で買い戻す計画だ。これにより長期的な事業成長への自信を強調する。4−6月期の収益が市場予想と一致し、通期の利益見通しを上方修正したことを受け、イーベイ株は時間外取引で6%近く上昇している。

ただ、ゴールドマン・サックスの推計によると、4−6月期の出品1件当たりの収入が前年同期比10%減少した。これはイーベイの先行きに暗雲を投げ掛けている。出品1件当たりの収入は、イーベイの収益性をみる上で重要な尺度。他社によるネット競売事業参入が増え、出品者を競合サイトに奪われる中、同社の収益性に対する圧力が高まっている。そのほか最も新しい課題は、米インターネット検索最大手グーグル(Nasdaq:GOOG)が同社の領域をますます侵食していることだ。また、幹部辞任が相次いでいることが、頭脳流出に対する懸念を引き起こしている。

4−6月期の「一般に認められた会計原則(GAAP)」ベースの純利益は2億5000万ドル(前年同期は2億9160万ドル)、1株利益は17セント(同21セント)。この数字は株式報酬費用(6000万ドル、1株当たり4セント)を含む。株式報酬費用は新しい会計基準を反映させるため、今年から計上を始めた。GAAPベースの純利益は、株式報酬費用を除いたベースでは前年同期比6%増の3億1000万ドル(1株当たり22セント)だった。非GAAPベースの純利益は同14%増の3億5100万ドル(1株当たり24セント)。ウォール街の予想と一致した。

売上高は14億1100万ドル(前年同期は10億9000万ドル)。市場予想の14億1000万ドルとほぼ一致した。

決算はナスダックの取引終了後に発表された。イーベイの通常取引終値は前日比0.66ドル(2.48%)安の25.93ドル。その後の時間外取引では上げに転じ、27.42ドルで取引されている。

4−6月期には、4月に開設した定価販売の新サイトが中核事業である競売サイトの伸びを上回った。定価販売サイトの収益性は競売サイトに比べて低い。イーベイで北米競売マーケットプレース事業を運営するビル・コッブ氏によると、定価販売サイトでは出品から売却までの期間が平均2週間と、競売サイトに比べ14倍かかる。

出品を誘致するコストも定価販売サイトの方が高い。結果として、同社は同日、競売サイトの利用を促進するため、定価販売サイトの出品料金を一部引き上げる方針を打ち出した。

メグ・ホイットマン最高経営責任者(CEO)はインタビューで「主力である競売事業の成長は当社の望むペースを下回っている」と述べた。同CEOは、サイトを再訪問するリピーターや、訪問を売り上げにつなげるという買い手側の要素も思わしくなかっただけでなく「イーベイのマジックの効力が薄れた」とした。ただ、こうした問題は体系的なものではないとし、競売サイトの宣伝・促進という対策が奏功すると自信を示した。

イーベイは06年通期のGAAPベースの1株利益見通しを69−72セントと、従来のレンジ(65−71セント)からやや上方修正した。非GAAPベースの通期1株利益見通しは0.98−1.01ドルとし、従来見通し(0.96−1.01ドル)に比べて下限を引き上げた。57億−59億ドルとしていた売上高見通しは据え置いた。一方、7−9月期の売上高について、13億5500万−14億3000万ドルとの見通しレンジを示した。この数字は直近のアナリスト平均予想(14億3400万ドル)を下回っている。

(ダウ・ジョーンズ) - 7月20日11時12分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060720-00000016-dwj-biz