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2006年06月20日(火) 20時38分

光市の母子殺害、無期懲役を破棄・差し戻し…最高裁読売新聞


判決を受けて会見する夫の本村洋さん

 山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われ、1、2審で無期懲役の判決を受けた元会社員(25)(犯行時18歳)に対する上告審判決が20日、最高裁第3小法廷であった。

 浜田邦夫裁判長(退官のため上田豊三裁判官が代読)は、「計画性のなさや少年だったことを理由に死刑を回避した2審判決の量刑は甚だしく不当で、破棄しなければ著しく正義に反する」と述べ、広島高裁判決を破棄し、審理を差し戻した。

 同高裁で改めて審理されるが、元会社員に死刑判決が言い渡される可能性が極めて高くなった。

 2審の無期懲役判決を、最高裁が破棄したのは、4人を射殺した永山則夫・元死刑囚(97年に死刑執行)に対する83年の判決を含めて戦後3例目。犯行時に未成年だったことが死刑回避の決定的な理由にならないとした判断は、少年による重大事件での量刑判断に大きな影響を与えそうだ。

 判決はまず、「何ら落ち度のない2人の命を踏みにじった犯行は冷酷、残虐で、発覚を遅らせようとするなど犯行後の情状も良くない。罪責は誠に重大で、特に考慮すべき事情がない限り死刑を選択するほかない」と指摘。その上で、死刑回避のために考慮すべき事情があるかを検討した。

 判決は、犯行の計画性について「事前に殺害までは予定していなかった」と認めたが、「主婦に乱暴する手段として殺害を決意したもので、殺害は偶発的とはいえず、計画性がないことを特に有利な事情と評価できない」と述べた。

 また、2審判決が犯行時に18歳1か月の少年で更生の可能性があることを死刑回避の理由とした点について、「被告の言動、態度を見る限り、罪の深刻さと向き合っているとは認められず、犯罪的傾向も軽視できない」と指摘。「少年だったことは死刑選択の判断に当たり相応の考慮を払うべきだが、犯行態様や遺族の被害感情などと対比する上で、考慮すべき一事情にとどまる」とした。

 判決は、浜田裁判長、上田、藤田宙靖、堀籠幸男各裁判官計4人の全員一致の意見だった。

 判決によると、元会社員は99年4月、会社員・本村洋さん(30)宅に侵入し、妻弥生さん(当時23歳)に乱暴しようとしたが抵抗されて殺害。泣き続けた長女夕夏ちゃん(同11か月)も床にたたきつけ、首をひもで絞めて殺害した。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/2006ranking/20060620it11.htm