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2006年06月05日(月) 00時10分

秋田小1殺害事件 被害児の親類「寂しくて悔しくて」 朝日新聞

 新緑がまぶしい白神山地のふもとに緊張が走った。秋田県藤里町の小学1年生米山豪憲君(7)が殺害された事件は4日、畠山鈴香容疑者(33)が死体遺棄容疑で逮捕されたことで急展開した。両家は1軒はさんだ近所。「なぜ豪憲君は殺されなければいけなかったのか」。捜索の様子を見守った住民には、やるせない表情がにじんだ。

 午前5時58分。県警の車両4台が能代市内の畠山容疑者の実家に到着した。報道陣がカメラを構えるなか、玄関先に現れた畠山容疑者は髪の毛を束ね、刺繍(ししゅう)の入った黒いジーンズ姿だった。不安そうな表情で弟が運転する軽乗用車の助手席に乗り込んだ。

 このころ、藤里町の自宅前には県警のマイクロバスなどが到着した。家の周りを青いシートで覆い、鑑識課の捜査員らが透明のフィルムを柱にはり付けるなどして痕跡を懸命に探した。

 近所の人たちは報道陣の後ろから捜索の様子を見つめた。

 午前7時前。畠山容疑者が乗った乗用車が裏口から能代署に入った。報道陣を無視するように無言で署内へ。逮捕されたのは、16時間以上経過した午後11時9分だった。

 豪憲君の親類の男性は、豪憲君が「おばあちゃん、おなかすいた。ご飯ちょうだい」と小さなお茶わんにご飯をよそってもらい、みそをのせて食べている姿が目に焼き付いている。「事件を伝えるニュースを見るたび、寂しくて悔しくて、涙がこぼれて仕方がない」

 豪憲君の葬式の日、豪憲君の母親が棺の中に顔をうずめて泣いていた。ふたを閉めても、棺を抱きしめてさする姿が、耐えられなかった。

 事件が動き出す気配に「なぜ、あの子が亡くならなければいけなかったのか。本当のことを早く知りたい」と話した。

 この町は、知らない人にでも、子どもたちが「おはよう」「さようなら」とあいさつしあえるのが自慢だった。しかし事件後、町は不安でぴりぴりしている。豪憲君の家族をよく知る町内の女性(53)は言う。

 「もう二度と起こって欲しくない。自慢のあいさつができる町に早く戻って欲しい」

http://www.asahi.com/national/update/0605/TKY200606040216.html