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2006年06月05日(月) 01時47分

職を転々、破産、「子ども嫌い」…秋田事件の畠山容疑者朝日新聞

 畠山鈴香容疑者は秋田県の旧二ツ井町(現能代市)で生まれた。地元の高校を卒業した後の91年、栃木県内のホテルに仲居として就職した。だが、1年ほどで地元に戻った。

 95年に結婚。そのころ、現在も住む藤里町の町営住宅に入った。翌年に長女が生まれたものの、すぐに離婚した。元夫はいま、「普通の女性。特に変わった女性ではなかった」と言葉少なに話す。

 その後も、地元の釣具店やパチンコ店などを転々としてきた。

 約4年間勤めたパチンコ店の元同僚によると「働きぶりは本当にまじめ。店で一番動いていた」という。

 一方でそのころ、複数の消費者金融からの借金を抱えていたようだ。元同僚の話では、パチンコ店を退職する1カ月ほど前から、借金の返済を督促する電話が職場にかかり始めた。

 1日数回かかることもあり、「いないと言って」「自己破産するから取り次がないで。弁護士の連絡先を伝えて」と、他の店員に懇願した。

 何にお金を使っていたのかは分からないが、「携帯電話は命の次に大事。1カ月7万円くらいかかる」と語っていたのを聞いたという。

 退職直後の03年には自己破産。その後、生活保護を受けていた。

    ◇ 

 ダンプカー運転手の父、パート勤務の母、4歳違いの弟の4人家族で育った。

 「すぐには仕事をやめてこないけど二ツ井に帰ってきた時は遊んでやってください☆」

 畠山容疑者は、高校の卒業文集にそう自分で記していた。一方で、寄せ書きには、級友たちの心ない言葉も並んでいた。

 「いじめられたおかげでお前も強くなったべ」「もう秋田には帰ってくるな」

 ある同級生は「注目されたい性格。強い子にはついて行くことが多かった」。畠山容疑者を知る当時の教員は「意思表示をしない生徒」と印象を話した。

    ◇

 「子どもが嫌い」。交流のあった同級生に、畠山容疑者はそう話していたという。

 離婚した直後には「再婚するときは、長女は実家に養子に出す」と言っていた。長女を能代市の実家にいる母親に預けることも多かったようだ。

 昨年11月ごろ、ある民生委員は「汚れた服を着続け、いつもおなかをすかした児童がいる」と、藤里小から連絡を受けた。長女だった。

 ここ数カ月間は、黒い車に乗った知人が、よく畠山容疑者の家に来ていた。「その時、決まって(長女は)1人で家の外で遊んでいた」と、近所の人たちはいう。長女の同級生の母親たちの間では、「かわいそう」という声も出ていた。

 豪憲君事件の約1週間前、美容院を訪れた畠山容疑者は、4月に長女が水死した後の警察の対応に不満を漏らした。「事故じゃないのに事故扱いされた」「司法解剖のあと、すぐに会わせてくれなかった」

 店員によると、「日ごろはしゃべらないのに、この日は一方的に話していた」という。

http://www.asahi.com/national/update/0605/TKY200606040294.html