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2006年06月01日(木) 15時44分

違法駐車、姿消した 手探り民間監視員 全国で1600人活動スタート産経新聞

 駐車違反取り締まりの一部民間委託などが盛り込まれた改正道交法が1日施行され、大阪市内でも民間監視員による取り締まりが始まった。最重点路線に指定されたミナミの御堂筋には午前9時すぎから、監視員が出動。前日まで当然のように見られた駐車車両や、運転手が不在のトラックはほとんど見られなかった。「なにわ名物」と揶揄(やゆ)されるほどの違法駐車はこのまま姿を消すのか。手探りで始まった初日の動きを追った。(大谷卓、小野木康雄)
 午前8時半前。大阪市中央区の南署に、管内を受け持つ「日経サービス」(中央区)の監視員24人が集まった。うち4人は女性だ。
 監視員の男性(56)は「不安でいっぱい。トラブルだって研修と実際は違うだろうし…」。署内で簡単な出発式を行い、初めての取り締まりに向かった。
 監視員は2人一組で、ドライバーとのトラブルを防ぐため、大阪では当面、ほとんどの監視員活動に警察官1人が付き添う。
 9時15分ごろ、場所は、最重点路線に指定されたミナミの御堂筋。改正前日の5月31日の同じ時刻と比べると、運転手が乗っていない駐車車両は格段に少ない。
 付近の百貨店に商品を納入するため、大阪市平野区の運送業者の男性(57)が手押しの台車に商品を積んで店内に入った。これまでトラックを路上駐車していたが、改正道交法では数分間で違反になる。この日は、約100メートル離れた駐車場にトラックを止めてきた。料金は30分で400円。
 「時間も経費も、随分と手間がかかる。負担は大きいけど、当分はこのままでいくしかない」と、男性はあきらめ顔で話した。
 数分後、監視員が動いた。ハザードランプをつけたまま駐車していたトラック。監視員は車内に誰もいないことを確認し、デジタルカメラでナンバーの撮影などを始めた。不慣れな手つきで携帯端末を操作し、データ入力を行おうとすると、30歳代の男性運転手が慌てて戻ってきた。
 運転手は、近くの飲食店に食材を運んでいたという。標章張り付け前だったため、ぎりぎりで違反にはならなかったが、監視員に平謝りで恐縮した様子。「会社に助手を1人つけてくれと言っているんですが…。あす以降も大変。早く対処しないと」
 初めての取り締まりは約30分で終了。警察官に口論を挑む男性運転手もいたが、監視員は遠ざけられるなど、大きなトラブルはなかった。
 前日までの違法駐車はほとんど姿を消していたが、付近のビル警備員の男性(68)は「いつもより少ないが、これが持つのかどうか…」。通り沿いの薬局店店員の男性(26)も「迷惑車両はなくなってほしいけど、営業に支障が出ても困る」。
 制度は始まったばかり。南署の幹部は「御堂筋で違反車両をゼロにするぐらいの決意でいく」と話した。
≪各地で携帯端末トラブル≫
 改正道交法が施行された1日、民間の駐車監視員による新たな駐車対策制度がスタートしたが、名古屋市でシステムの不具合から違反状況を入力する端末機が作動しなかったほか、京都市や札幌市、広島県など各地で端末機のトラブルが相次いだ。
 新制度の柱は民間委託のほか、短時間の放置駐車違反取り締まりと、車両の持ち主に対する放置違反金の導入。取り締まり強化で違法駐車の減少が見込まれる一方、現場でのトラブルを懸念する声もあり、今後の運用が注目される。
 警察庁によると、民間委託を受けたのは全国74業者。政令指定都市や県庁所在地など270の警察署管内で約1600人が「みなし公務員」として業務にあたる。
 この日、愛知県では名古屋市などで端末機にトラブルが発生。中村署によると、午前9時ごろ、監視員が署内で端末を立ち上げようとしたが、8台のうち7台がパスワードを受け付けず、1台はパスワード承認後に作動しなくなった。京都市でも、端末機が最大約30分間起動しないトラブルがあったという。
(産経新聞) - 6月1日15時44分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060601-00000023-san-soci