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2006年05月30日(火) 23時14分

松本智津夫被告の死刑判決、東京高裁が異議を棄却読売新聞

 地下鉄サリン、松本サリン、坂本堤弁護士一家殺害など13事件で殺人罪などに問われ、1審で死刑判決を受けたオウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫被告(51)の弁護人が、2審の控訴棄却決定に異議を申し立てていた裁判で、東京高裁(白木勇裁判長)は「2審の判断は正当」として、異議を棄却する決定をした。

 決定は29日付。弁護側は最高裁に特別抗告する方針だが、認められる可能性は低いとみられており、松本被告の死刑が確定する公算がさらに強まった。

 松本被告の控訴審は、弁護人が控訴趣意書を提出期限(昨年8月末)までに出さなかったため、一度も公判が開かれないまま、今年3月27日、東京高裁(須田賢裁判長)が控訴を棄却。異議申し立ての審理は、同高裁の別の部が担当した。

 今回の決定は、趣意書の提出遅れについて、「期限内に提出は十分可能だった」と指摘。「被告と意思疎通が出来なくても、弁護人は記録を検討するなどし、法律の専門家として趣意書を作成すべき」とし、「公判の停止という自らの主張が受け入れられないため、趣意書不提出という実力行使に出ることは正当化できない」と批判した。

 決定は、松本被告の訴訟能力についても言及し、「拘禁反応(長期拘置による精神の異常)を生じているが訴訟能力は失われていない」と指摘。その上で、「治療して完全に正常な状態に戻して裁判を行う選択肢もあるが、趣意書の提出期限を7か月も過ぎている以上、控訴棄却は免れられない」と述べた。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4900/news/20060530i111.htm