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2006年05月25日(木) 19時18分

ニュースの周辺◇横領続く鳥取市朝日新聞

 06年度になって職員による公金横領事件が連続して発覚した鳥取市。いずれも、補助金や生活保護費などが振り込まれる市や民間団体の銀行口座を1人の職員が管理し、自由に引き出せる状況だった。市は公金管理のチェック体制を強化する考えだが、「管理する口座が多くて何件か見当もつかない」「職員のモラルの問題」という内部の声もあり、改善には時間がかかりそうだ。 (梶田育代)

 今月11日、鳥取市農村整備課の元主幹(39)による公金横領が判明。同課によると、用瀬町社中央水道組合への管理委託料と補助金252万9千円が組合口座に振り込まれるはずだったが、元主幹が05年8月に振込先を組合名義の別の偽口座に変更、通帳と印鑑も管理し、偽口座に振り込まれた金をローンの返済にあてていたとされる。

 4月には、市河原町総合支所の元福祉保健課長(57)が、生活保護費の立て替え分を用意する市の銀行口座から42万円を着服した事実も明らかに。同課長が1人で通帳と印鑑を保管していた。

 2件の不祥事を受け、市は22日に「公金の適正管理に関する検討委員会」を設置。
(1)1人の職員が長期間同じ業務に就いていた(2)契約から支払いまで職員1人が管理し複数のチェック体制がなかった(3)公金を扱う緊張感不足——といった問題点がすでに指摘されている。今後は公金管理業務を徹底的に検証するほか、人事異動のあり方を見直し、支所では通帳と印鑑を別の部署で管理する。

 だが、「結局は職員のモラルの問題」「単純だけど巧妙な方法」(市幹部)という意見も。市出納室が扱う「口座振り込み」「預け入れ」などは年に21万件になる上、公金横領の2件とも外部からの指摘で分かっており「一件一件職員を疑って調べるのは大変」という声もあった。

 米子市は職員が委託契約などに携わる場合、担当職員と所属課の課長が書類を二重チェックしている。同市会計課は「担当者が1人しかいないのなら鳥取市のような事件が起きないとは言い切れない」と二重チェックの重要性を強調する。

 また、鳥取銀行では年に1回、各支店に数日間にわたる抜き打ち検査が入り、業務の取り扱いが適正に行われているか伝票の一枚一枚を調べる。行員の休暇中には支店長が机の中を調べることもあるほか、支店長の机は本店行員が担当するという。同行経営統括部は「他行で起きた事件を参考に対策を考えている」としている。

http://mytown.asahi.com/tottori/news.php?k_id=32000000605250003