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2006年05月19日(金) 11時39分

中核派の一審無罪を破棄 迎賓館ロケット弾事件朝日新聞

 迎賓館や米軍横田基地に86年、ロケット弾が撃ち込まれた事件で、爆発物取締罰則違反の罪に問われた中核派活動家3被告の控訴審判決が19日、東京高裁であった。一審は実行犯と3被告が共謀した証明がないとして全員無罪としたが、高裁の中川武隆裁判長はこれを破棄。「3被告がロケット弾開発に関与し、実行犯と共謀したと推認できる」と述べ、審理を東京地裁に差し戻した。被告側は上告する方針。

 この裁判は88年9月の初公判から04年3月の一審判決まで15年半を要しているが、さらに長期化する可能性が出てきた。

 この日、判決があったのは須賀武敏(61)、十亀(そがめ)弘史(62)、板垣宏(62)の各被告。検察側は須賀被告に懲役15年、十亀、板垣両被告に懲役13年を求刑していた。

 この事件では計4人が起訴されたが、実行犯は不明のまま。直接証拠がなく、検察側は、アジトから押収されたメモ類などを根拠に3人と実行犯との共謀があったと主張した。

 一審・東京地裁は「メモ類には事件に直接触れた記載はなく、検察側主張には飛躍がある」として、無罪を言い渡した。

 これに対して中川裁判長は「一審は証拠の価値を十分評価せず、開発や製造を行ったと認められないと即断した。証拠の評価に誤りがある」と指摘した。

http://www.asahi.com/national/update/0519/TKY200605190184.html