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2006年05月17日(水) 00時00分

低価格路線で独占ソフト市場に挑戦読売新聞

 100万本のソフトを無償配布します—— 。大胆な販売方法で日本進出を果たした中国のソフトウェア会社「キングソフト」(中国名・金山軟件)が、次は業界の常識をくつがえすような低価格で、ワープロなどのオフィスソフト市場に新規参入するという。同社の日本法人の広沢一郎社長に今後の展開を聞いた。


広沢 一郎  ひろさわ・いちろう
キングソフト社長
 1963年愛知県生まれ。86年慶應義塾大学経済学部卒業後、ブラザー工業に入社し、97年に伊藤忠商事に転職。両社でソフトウェアの商品企画開発業務を担当した。98年4月にソフトウェア会社「マグノリア」を設立し、代表取締役に就任する。2005年3月から現職。
—— キングソフトはどのような会社なのでしょうか。

広沢 1988年に創業した中国最大級のソフトウェア会社で、本社は北京にあります。セキュリティー対策ソフト、オフィスソフト、オンラインゲームの三分野を軸としています。

 セキュリティー対策ソフトのシェアは中国国内で1位です。オフィスソフトはウィンドウズが普及する前から独自で開発してきましたが、マイクロソフトの「オフィス」の登場でシェアを落としています。

—— なぜ日本に進出したのですか。

広沢 ここ数年、日本のソフトウェア業界は停滞気味でしたが、キングソフトが手がける三つの事業分野の市場規模が拡大していたからです。三つの分野でシェアが確保できれば、一定の利益が出せると思いました。2005年3月、キングソフトや日本企業などの合弁で日本法人が設立されました。

—— 日本進出の際、変わったキャンペーンを行ったそうですね。

広沢 05年9月からセキュリティー対策ソフト100万本の無償配布を始めました。1年間は無償で使ってもらい、気に入ってもらえれば更新料を払ってもらうという仕組みです。1年後の更新料も980円と安く抑えています。

 約5か月で100万本の配布を達成し、その後も無償期間を半年にして提供し続けています。セキュリティー対策ソフトの日本でのシェアは10%程度にまでなったと思います。動作が軽いという点もユーザーには好評のようです。多くのメディアやブログ(日記風ホームページ)に取り上げられ、プロモーションは成功しました。

—— 日本ならではの苦労はありましたか。

広沢 最近騒がれているウィニーです。中国には、ウィニーを介して感染するウィルスのようにパソコン内の情報を暴露するウィルスはありません。ウィニー感染ウィルスは自己増殖をしないので、解析も困難を極めました。

 日本でウィルスを収集するなど予想外の手間がかかり、人手を増やして対策を練りました。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20060517nt05.htm