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2006年05月07日(日) 03時09分

小嶋社長、強制捜査へ 偽装認識告知せず 4億円詐欺容疑産経新聞

 耐震偽装事件で、警視庁など合同捜査本部は六日、マンションルートの詐欺容疑で、「グランドステージ藤沢」を販売したヒューザーの小嶋進社長(52)の強制捜査に乗り出す方針を固めた。被害総額は四億円余にのぼる。合同捜査本部は、ヒューザー側が偽装を認識しながら入居者への事前の告知義務を故意に果たさず、代金を振り込ませ詐取したと断定、任意の聴取に偽装の認識を否認している経営トップの強制捜査は不可欠と判断した。
 小嶋社長は昨年十月二十八日、元建築士の姉歯秀次容疑者(48)による「藤沢」の耐震強度偽装を知りながら、一部入居者に伝えず、販売代金を振り込ませて詐取した疑いが持たれている。
 ヒューザーでは役員が同二十五日、偽装を知り、同日夜に姉歯容疑者宅で「藤沢」など偽装物件の強度を通常の計算で出した数値をメモ。国の基準の40%とする「藤沢」の強度は小嶋社長に報告された上、メモは二十七日、小嶋社長らがイーホームズ社長の藤田東吾容疑者(44)と偽装問題を協議した場で示されたが、小嶋社長は協議後、「問題ない」と代金の受領を部下に指示した。
 「藤沢」の数値は、押収された別の役員のメモにも二十六日付で記載されており、姉歯容疑者も「二十五日にヒューザー役員へ数値を伝えた」と供述している。
 小嶋社長は「検査済み証も出ているので大丈夫と思った」などと主張しているが、本来行うべき義務を怠って財物を得た場合、「不作為による詐欺」の罪が成立する、とする刑法解釈がある。
 計算上の強度はその後、さらに低い15%と判明したが、宅地建物取引業法は業者に対し、重要事項を事前に顧客へ告知するよう義務付けており、合同捜査本部は基準を50%以上下回る数値はこの重要事項にあたると断定。数値を告知させずに代金の受領を指示した行為は、作為と同等の悪質性がある「積極的な不作為」であるとして、「法律上の義務」を故意に果たさず財物を交付させた不作為の詐欺罪が適用可能と判断した。
 現場検証や実況見分した十一物件のうち「藤沢」とホテルルートの「サンホテル奈良」は、実際の強度不足を証明する鑑定書の作成を優先させており、鑑定書の完成を待ち、今月中にも強制捜査に乗り出すものとみられる。
     ◇
【用語解説】不作為による詐欺
 うそをつくなどの言動で金品をだまし取る、という一般的な「作為による詐欺」とは異なり、行うべきことをしないで金品などを入手することを指す。レジで釣り銭を多く受け取ったことに気付きながら、そのまま黙って持ち去ることなどがこれにあたる。
(産経新聞) - 5月7日3時9分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060507-00000000-san-soci