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2006年05月04日(木) 03時00分

国勢調査、都内11%が未回収…揺らぐ信頼性読売新聞

 昨年10月の国勢調査で、調査票を提出しなかった世帯が東京都中央区などの都内8区市で20%以上に達し、都全体の未回収率は11・3%(約57万世帯)に上ったことがわかった。

 調査員が会えないケースが急増しているほか、過剰な個人情報保護意識が広まっているのも一因とみられる。

 国勢調査はすべての国内居住者を対象にするのが大原則。総務省は、自治体別の未回収率については今月末に明らかにする予定だが、回収率の落ち込みは人口などの統計の信頼性を揺るがせている。

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 都によると、都内の区市町村で未回収率が高かったのは中央区(30・3%)、町田市(29・9%)、渋谷区(25・5%)、品川区(25・2%)、新宿区(23・7%)の順。前回2000年の調査では未回収率20%以上の自治体はゼロで、都全体では5・9%だった。

 総務省が今年3月に公表した中間集計では、国全体の未回収率は4・1%(前回1・7%)で、都心部の突出ぶりが際立っている。

 都ではオートロックマンションの増加や単身・共働き世帯の伸び、防犯意識の高まりなどで対面調査が難しくなっていると分析する。中央区は1999年〜今年1月に30歳代の人口が1万人以上も増えたが、大部分はマンション住民だ。

 また、昨年4月に全面施行された個人情報保護法の趣旨を曲解し、調査自体を拒否するケースも目立つ。調査票を回収できなかった世帯については、調査員が人口算出のため〈1〉世帯主〈2〉世帯人数〈3〉男女の別——を聞き取ることになっているが、マンション管理人などが個人情報保護を理由に協力を拒むことも多かった。

 こうした場合は自治体の担当者が住民基本台帳データを使って補足しているが、引っ越しても住民票を異動していない世帯もあり、調査の精度は落ちる。

 5年に1度行われる国勢調査は統計法上、日本に住むすべての人に申告義務がある。個人情報保護法の適用除外となり、拒否した場合には懲役もしくは禁固6か月以下または罰金10万円以下の罰則もある。地方交付税の配分基準や議員定数の決定をはじめ、行政施策の基礎資料にも使われるため、その信頼性は生命線といえる。

 回収率の低下を重く見た総務省は現在、有識者懇談会で国勢調査の改革案を検討しており、7月までにまとめる。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6000/news/20060504it01.htm