無断書き換えで筆者が抗議『再発行になり無駄遣い』（東京新聞）

2006年04月05日(水) 00時00分

　流山市の市史編さん審議会事務局が、執筆者に無断で「流山市史通史編２」を書き換え、執筆者の抗議を受けて再発行することになったのは「製作過程の管理体制に問題があった」として、市民が井崎義治市長に製作費約百九十万円の返還を求める監査請求をしたことが四日、分かった。　（川田　栄）

　監査請求したのは、同市平和台二、無職市岡勝美さん（６９）ら三人。請求理由を「税金の無駄遣いになる」としている。

　市教委によると、通史編２は七人で執筆され、Ｂ５判で約九百四十ページ。昨年三月に四百冊発行した。書き換えた原稿は、元小学校長の男性が執筆した幕末から現代の部分で千カ所余り。文章となっていた元の原稿を事務局が分かりやすいようにしようと、表にするなどしたが、かえって読みにくい内容になったという。

　発行スケジュールの関係で、執筆者に書き換えの了解を得たり、ゲラの確認をしてもらったりしないまま発行し、この執筆者から抗議を受けた。発行部数の半分を各地の図書館などに配布したが、公開しないよう求め一般販売も取りやめた。

　本年度一般会計予算に再発行費用を計上し、元の原稿による通史編２を年度内に発行する予定だが、配布した本を回収するかどうかは決まっていない。

　監査請求について、市では「まだ請求書が手元に届いていないのでコメントのしようがない」としている。

悪のニュース記事