悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年03月20日(月) 00時00分

“ネット人格”のぞかれる?読売新聞

 プライバシーがのぞかれるかも、という指摘もあるグーグルデスクトップサーチ。「サーチ・アクロス・コンピューターズ」という新機能にひかれて2台のパソコンに入れてみた。

 例えば、自宅で書きかけの原稿をオフィスのパソコンから簡単に引き出せる。下書きを電子メールで自分宛(あて)に送るとか、USBメモリーに移し替える手間が不要になる。参考にしたサイトの訪問履歴も一目瞭然(りょうぜん)。グーグルがパソコンでの作業を逐一、コピーしているからだ。便利ではある。

 でも、“危ない”サイトの訪問履歴も把握される。「1か月で自動消滅」だそうだが、本当か? これで私の“ネット人格”が判断されてしまうのではないか、という不安もよぎる。

 だが、グーグル礼賛本のベストセラー「ウェブ進化論」の著者梅田望夫氏は、「こちら側」、つまり個人のパソコンにある情報をグーグルのいるネットの「あちら側」に移すことで、ネットはさらに進化すると力説する。自動消滅しない個人情報蓄積サービス導入は既定路線ということだ。

 その具体名が先日のアナリスト向け説明会でのパワーポイント資料で公になった。そのメモ欄に「GDrive」と明記され、ユーザーの全ファイル、メール、閲覧履歴などを無料で〈永久保存〉する決意が書き込まれていたのだ。ところが、同社がネットに載せた直後から、メディアやブログでプライバシーの懸念を書き立てられると、一転、GDriveに触れていないスライド画面だけのPDF資料に置き換えた。

 説明会でもGDriveへの具体的言及はなかったようだ。ではなぜ、わざわざメモ欄付きの資料をネットに流したかの憶測が飛び交っている。グーグルは「手違い」としか釈明せず、GDrive導入については口を拭(ぬぐ)ったままだ。

 ネット上での便利さとプライバシーは二律背反だ。さしものグーグルも、「あちら側」のプライバシー問題でしばし立ち止まっているのかもしれない。(ITジャーナリスト 島田範正)

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20060320nt04.htm