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2006年03月08日(水) 00時00分

【関連】“遺書”燃やし『やっと』 ヤミ金心中逮捕 隣人や親族『今も思い出す』 東京新聞

 「やっと捕まった。安らかに、成仏して」。三年近くにおよぶ捜査の末、大阪府八尾市の老夫婦らを死に追い込んだヤミ金業者が逮捕された。現場の踏切には七日、執拗(しつよう)な嫌がらせ電話を連日受けた隣人らが姿を見せ、三人の冥福を祈った。 

 夫婦と同じアパートに住んでいた山下彰子さん(69)。逮捕の報を受けて花と果物を供え、一通の手紙を空き缶に入れて燃やした。

 手紙が届いたのは事件当日。朝、ニュースで悲報を知った直後に郵送された。

 「もう死ぬ以外ない。借りていたお金すべてを返せないけれど許してください」。亡くなった妻=当時(69)=が前日に出したものだった。

 妻の窮状を見かねて何度か金を貸した。「夫の会社に十万円ぐらいあるはず。残りを受け取ってください」。最後まで周囲を気遣っていた。

 山下さん宅にも業者から電話があった。「おまえんとこが保証人になってる」「部屋にいるかどうか見てこい」

 「本人はどんなに怖かったことか。逮捕で区切りを付けたくて手紙を燃やした。でも、どうしても思い出してしまう」。山下さんは手で顔を覆い、涙を流した。

 妻の兄(81)は事件の約二カ月前、苦悩を打ち明けられた。「少ししか借りてないのに、何度も迫られる。いくらお金があっても足りない」。自分の葬儀用にためていた百万円を妹に渡した。

 「これで助かる」。ほっとした表情を忘れることができない。やっと解決したと思ったところで、妹と義弟、実兄の三人を失った。「苦しみ抜いたあげく、死を選びました」と遺書が残されていた。

 「犠牲になるのは妹たちだけで十分。もうこういうことは一切やめてくれと言いたい」

 夫婦の遺骨は大阪市内の寺院にある。兄は近く、容疑者逮捕を墓前に報告するつもりだ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060308/mng_____sya_____008.shtml