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2006年02月28日(火) 00時00分

日本文化 浸透と“誤解”読売新聞

 ミニチュアのビル街を暴れ回る怪獣。前に立ちはだかる巨大ロボット。対峙(たいじ)する2人(?)はなぜか互いに一目ぼれ、愛をはぐくみ、やがて怪獣は1台の車を産む。「(生まれたのは)小さなモンスター」の字幕。米国で昨年放映された大型車ハマーの人気CMだ。

 怪獣が暴れるビル街の看板には、日本の企業名を思わせる「トークツ」のカタカナ文字。怪獣とミニチュアのビルと言えば、日本のお家芸であることを作り手側が意識しているとも受け取れる。

 このCMだけでなく、米国のテレビで日本語が流れることは決して珍しくない。最近では、ケーブル局で放映される日本製アニメも「イケー」「トドメダー」など、かけ声が日本語のまま使われている。メディアに登場する日本語の頻度は増し、誤記や勘違い描写はここ数年で明らかに減った。アニメや特撮が日本語や日本文化の浸透に貢献しているのは確かだ。

 そんな折、人気アニメ「ビリー・アンド・マンディ」でこんな場面があった。

 瓦屋根の街に出現した三つ首怪獣と巨大なカメ。立ち向かうのは光輝く巨人。どう見ても日本の特撮のパロディーだが、巨人の周囲にはなぜかハングルの帯。

 日本とほかのアジアが混同された時代ならまだしも、今に及んで、この描写は明らかに違和感がある。単なる誤解だろうか?

 米国のアニメ製作には、韓国のスタジオが深くかかわっていて、力士やサムライが主人公の作品もある。影響があってもおかしくない。米国のすしにキムチやチリソースが入っているのと似たようなものと思えば気は楽になる。

 でも、最近では、タイにも日本人が知らないご当地ウルトラマンがいるというじゃないか。日本製の文化がそうでないものとして扱われることほど遺憾なことはない。日本人気が高まる一方で、日本の「ものつくり」にとって見過ごせない何かが起きている気がする。(ワシントン 笹沢教一)

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/kougengaku/20060228nt01.htm