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2006年02月21日(火) 00時00分

弁護人・高裁 趣意書提出巡り“攻防”読売新聞

 松本被告の控訴審の弁護は、東京地裁の死刑判決が出た2004年2月27日に就任した松井武弁護士と、6月に就任した松下明夫弁護士の私選弁護人2人が担当。最近になって、別の3人が加わった。

 同高裁は当初、控訴趣意書の提出期限を、05年1月11日に設定した。だが、弁護人が「被告と意思疎通できない」と主張したため、8月末までの延長が認められた。弁護人は「期限内に提出できるよう最大限努力する」と約束したが、7月になると、再び、同じ理由で再延長を申請した。

 同高裁は今度は延長を認めず、弁護人は8月31日に控訴趣意書の骨子を同高裁に持参しながら、提出しなかった。不提出による控訴棄却決定というリスクを払っても、「松本被告に訴訟能力はない」との主張を貫いた形だった。

 9月から同高裁が依頼した西山詮医師が鑑定を進める中、弁護人は、独自に5人の精神科医に松本被告との面会を依頼。同被告の訴訟能力を否定する医師の意見書を次々と同高裁に提出したり、須田裁判長らの忌避(変更)を求めたりして、「訴訟能力はある」としてきた同高裁の判断を揺るがそうとした。

 関係者によると、弁護人は同高裁の了解を得ずに西山医師に面会し、訴訟能力を否定した精神科医の意見書を直接手渡すなどした。ある刑事裁判官は「鑑定結果に意図的に影響を与えようとしたのであれば、問題だ」と指摘する。

松本智津夫被告の控訴審手続きの経過 【2004年】 2月27日東京地裁が松本被告に死刑判決。
松井武弁護士が私選弁護人に 6月30日東京高裁が控訴趣意書の提出期限を05年1月11日に指定 10月28日弁護人が精神鑑定と公判停止を申し立て 12月10日須田賢裁判長らが松本被告と面会 20日同高裁が弁護人の申し立てを却下 【2005年】 1月6日同高裁が控訴趣意書の提出期限を05年8月31日まで延長 7月29日弁護人が提出期限の再延長を申し入れ。医師の意見書も提出 8月19日同高裁は再延長を認めず、松本被告の精神鑑定の実施を表明 31日弁護人が控訴趣意書の提出を拒否 9月5日同高裁の依頼を受けた西山詮医師が精神鑑定を開始 10月25日弁護人が裁判官忌避(変更)を申し立て 【2006年】 2月1日弁護側の5人目の医師が松本被告に面会 20日西山医師が鑑定意見書を提出

http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe4900/fe20060221_r02.htm